"生成AI×不登校キャリア支援"について札幌国際大学と共同研究し「AI時代の教育学会」で発表しました。
2024年9月28日(土)石川県金沢市で開催された「AI時代の教育学会 第6回年次大会」において、生成AI「スクールAI」を用いた不登校のキャリア支援に関する研究結果を発表しました。
〇SHINGAKUが実施する"キャリア教育"
SHINGAKUでは、不登校の子どもたちが将来への不安を解消し、自己理解を深めることが社会的自立に向けた重要なステップだと考え、進路指導やキャリア教育を実施しています。
週に1回、不登校の児童生徒とシンガクのコーチが1時間対話をする個別授業では、教育コーチングの手法で、子どもたちが自分の中にある答えを引き出し、進路を明確にしたり、自己理解を深めたりするサポートを行っています。
〇生成AIを使ったキャリア支援の取り組み
週1回の個別授業だけでは十分な時間が確保できず、事前に内省する時間を設け、個別授業でさらに深く関わることが重要な課題になっていました。
そのため、生成AIを活用し、自己理解を深める新たな取り組みを開始しました。
研究は、札幌国際大学基盤教育部の安井政樹准教授と共同で進めてきたもので、生成AIを活用することで、不登校の児童生徒が自己理解を深め進路不安を解消するという、新しいアプローチに焦点を当てています。
生成AIツールは、家庭学習支援サービスを展開する株式会社みんがく(本社:東京都目黑区)の 「スクールAI」(https://school-ai.mingaku.net/ )を活用し、中学3年生に「AIの村上先生(※)」のアカウントと毎週話してもらうことで、データを蓄積していきました。
※生成AIに、オンラインフリースクールSHINGAKU教室⻑の村上の情報(写真・話し方・口癖等)を入れ込んだもの
研究で活用した「スクールAI=AIの村上先生」は、不登校の児童生徒の進路指導と心理的サポートを目的に開発されたツールで、週1回のコーチングと併用し、子どもたちがAIとの対話を通じて自己理解を深め、進路不安を軽減する手助けを行いました。
〇75%の生徒が「AI先生は有効」と回答
中学3年生を対象に実施された今回の研究結果では、75%の生徒が進路指導において「AIの村上先生」が役立ったと回答しました。
一方で、心理的不安の軽減には限界があることもわかり、人間の教師との協働が重要であることが示されました。
今回の研究結果を受け、不登校の子どもたちの社会的な自立を支援していくためのキャリア開発・キャリア支援の分野で生成AIが有効であることを改めて認識。
今後は、不登校の児童生徒に限らず、すべての子どもたちが自己理解を深め、夢や志を実現できるよう、キャリア支援を強化し、生成AIの活用をさらに拡大していきます。
〇本お知らせの詳細に関するプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000115646.html