- 子どもが不登校になったが、担任の先生が何もしてくれない
- 不登校の子どもに担任の先生は何をしてくれるの?
お子さんが不登校になると、「担任の先生が何もしてくれず心配」と感じる保護者は少なくありません。
しかし、お子さんのことを思いやり、あえて何もしない選択をとっている可能性も。
思いやりのある「何もしない」とは何なのでしょうか?
この記事では、不登校のお子さんに対して担任の先生が何もしてくれない理由と不登校のお子さんに対して先生はどのような対応をとるのか、また、何もしない先生にはどう対応すればいいのかについて、詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
担任の先生が何もしないのはなぜ?
不登校のお子さんに対して担任の先生が何もしない理由としては、3つのパターンが考えられます。
- 生徒を見守っている
- 無関心
- 多忙がゆえに対応できていない
どれも行動だけ見ると同じに見えますが、実は大きな違いがあります。
「生徒を見守っている」のにはポジティブな意味が、「無関心」「多忙がゆえに対応できていない」にはネガティブな意味が隠されています。
①生徒を見守っている
前述の通り、「生徒を見守っている」のにはポジティブな意味があります。
お子さんが不登校になると、担任の先生の多くが家庭訪問を実施したり、家庭に電話をかけたり、お子さんの学校復帰に向けてさまざまな対応をとります。
しかし、担任の先生がお子さんとコンタクトをとろうと懸命に対応することにより、逆にお子さんが心理的に追い詰められることも。
高い頻度で先生が家庭訪問を行ったり、保護者に電話をすると、お子さんは「先生は無理やり登校させようとしているのではないか」と心配になり、「そっとしておいてほしい」と思う可能性があります。
お子さんのそんな思いを察して、先生が必要以上に関わらないようにしている場合もあります。このケースでは、担任の先生はお子さんの様子をよく観察して気にかけているため、「何もしてくれない」と心配する必要はありません。
以前は積極的に連絡が来ていたけれど、あまり連絡が来なくなった、という場合には「お子さんを見守っている」可能性が高いです。
②無関心
ネガティブな意味での「無関心」もあります。お子さんを見守って「何もしない」ということは、お子さんを思っての行動です。一方、無関心は「先生が生徒のことを考えていない」状態で、担任の先生とお子さんのつながりが切れていると言えます。
担任の先生がお子さんの不登校について関心がないと、学校復帰は非常に難しいです。そのため、先生の無関心は早期に解決する必要があります。
家庭訪問もなく、保護者への電話も長らく来ない場合、先生がお子さんの不登校に対して無関心である可能性が高いです。1か月以上連絡がない場合には学校に相談し、校長先生など、担任の先生以外の別の先生と話し合いましょう。
③多忙ゆえに対応できていない
学校の先生は、授業以外にも成績管理やカリキュラム、教育計画、課外授業など、多岐にわたる業務を抱えています。また、学校の先生もそれぞれにプライベートがあります。
非常に多忙な毎日を送っており、悪意なくお子さんの状況や様子に気付けない可能性もあるでしょう。その際は、保護者から先生に向けてコミュニケーションを取ることで改善される可能性があります。
一方で、多忙を理由に対応がおざなりになる先生もいるかもしれません。その場合は保健室の先生や他の先生にコンタクトを取ってみるといいでしょう。
担任の先生が不登校の生徒にとる対応
不登校のお子さんに対して、多くの担任の先生は以下の4つの対応をとります。
- 家庭訪問
- 保護者に電話
- 生徒を見守る
- 学校以外の居場所の提案
ただし、これはあくまで一例にすぎず、別の対応が実施されている可能性もあります。上にあげた対応がなされていないからといって、過剰に心配する必要はありません。
家庭訪問
不登校のお子さんへの対応としては「家庭訪問」が最も多いです。
特に、不登校初期の段階で実施されることが多いです。お子さんが先生との面会を拒否した場合は、お子さんの意向を尊重してあげましょう。面会を強制する必要はありません。
担任の先生が家庭訪問に訪れた際には、お子さんに対する考えを聞き、どう学校復帰していくのか、方針を一緒に考えていきましょう。
保護者に電話
保護者への電話もよく実施される対応の一つです。
電話では、授業の連絡だけでなく「お子さんの体調はどうか・お子さんに何か変化があったか」など、お子さんの様子について聞かれることが多いです。お子さんが学校復帰できるよう、現状を正しく伝えましょう。わからないことはわからないと答えても大丈夫です。
電話の中で、先生が「〇〇さんとお話できますか?」と、お子さんとの会話を求めることも多々あります。お子さんが嫌がった場合には、必ずお子さんの意向を尊重してあげるようにしましょう。
お子さんの気持ちを尊重してあげることが早期の学校復帰につながります。
生徒を見守る
先生が家庭訪問や保護者への電話を通じて、一度お子さんと距離をおいたほうが良いと感じた場合、生徒を見守り、様子を見ることに転じる可能性もあります。
先ほども述べたように、家庭訪問や、電話の頻度が急に減った場合は生徒を見守っている可能性が高いです。
そのため、突然連絡が減ったからといって心配しすぎる必要はありません。
しかし、1か月以上連絡が全くない場合には「無関心」になっている可能性もあります。この場合は学校に相談しましょう。
学校以外の居場所の提案
先生が学校以外の居場所を提案してくれる場合もあります。
学校以外の居場所としては、適応指導教室(教育支援センター)といった公的機関、フリースクールなどの民間施設があげられます。学校以外の居場所が見つかることでお子さんが自信を取り戻し、学校復帰に意欲的になることもあります。
お子さんが興味を示した場合には一度外部機関に相談や体験に行ってみましょう。学校復帰への第一歩となるかもしれません。
実際にフリースクールなどの外部機関に行くのはお子さん自身です。保護者の考えを押し付けてはいけません。よく相談し、お子さんの気持ちを尊重するようにしましょう。
フリースクールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
▶フリースクールとは?基本情報から学費・進学可否まで幅広く解説
何もしない担任の先生にはどう対応すればいい?
不登校のお子さんに何もしない担任の先生に対して、以下の2つの対応が考えられます。
- その先生に相談してみる
- 上の立場の先生に相談してみる
その先生に相談してみる
担任の先生が何もしてくれない場合、上述の通り、お子さんのことを見守っているため何もしていない可能性が考えられます。この場合、先生はお子さんのことをきちんと気にかけてくれているので、先生の意図を確認し、保護者の要望を伝えることで、不安や不満は解消されるでしょう。
先生は「お子さんを精神的に追い詰めたくない」という思いで見守るという対応をとっているので、お子さんを思う気持ちは保護者と同じです。保護者が、何かしてほしいと伝えれば快く対応してくれる可能性が高いです。
それでも対応してもらえない場合は、次の対応も検討してみましょう。
上の立場の先生に相談してみる
担任の先生に「何かしてほしい」と相談しても何もしてくれない時は、担任の先生よりも上の立場の先生に相談してみましょう。
教頭先生や校長先生など立場が上の先生は、不登校やいじめへの対応の経験値が高く、そういった問題にも敏感なので、担任の先生よりも積極的に対応してくれる可能性があります。
また直接対応はしてくれなくても、担任の先生がお子さんに対して何かするように促してくれる場合もあるでしょう。
担任の先生に相談しても何もしてくれない時の最終手段として、上の立場の先生に相談することも考えておく必要があるでしょう。
まとめ
今回は、不登校のお子さんに担任の先生が何もしてくれない理由、担任の先生が不登校の生徒に対してどのような対応をとるのか、何もしない担任の先生への対応について解説しました。
不登校のお子さんに対して担任の先生がとる対応としては以下の4つがあげられます。
- 家庭訪問
- 保護者に電話
- 生徒を見守る
- 学校以外の居場所の提案
基本的には、担任の先生はお子さんの学校復帰に向けてさまざまな対応を取ってくれるでしょう。先生の行動によっては、保護者がお子さんの学校復帰を焦る気持ちになってしまうかもしれません。
しかし、お子さんの気持ちを尊重しなければ逆効果になってしまうこともあります。
学校や担任の先生としっかり連携しつつ、お子さんの気持ちを少しずつ聞いてみることから始めてみましょう。