不登校中にゲーム三昧の子どもは依存症?禁止・取り上げ以外の対処法を解説

監修:村上実優

監修:村上実優

累計7万人以上の指導実績を持つ成基の個別指導塾「ゴールフリー」で教室長を務めた後、シンガクの教室長に就任。子どもの本来持つやる気や意欲を引き出す“教育コーチング”のスキルを活かし、学校以外の多様な学びの機会提供と、子どもが安心して過ごせる居場所づくりを目指してシンガクを運営している。

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目次

不登校のお子さんが家でゲームに没頭してしまう姿に、不安や焦りを感じる保護者は少なくありません。

「このままではゲーム依存になってしまうのでは?」と心配する一方で、ゲームを完全に禁止したり取り上げたりすると、お子さんとの関係が悪化する恐れもあります。

しかし、ゲームがお子さんに与える影響を正しく理解し、適切な対応を取ることで、不登校中のゲーム時間をポジティブな経験へと変えることも可能です。

本記事では、ゲームと不登校の関係や、ゲーム三昧のお子さんに保護者ができることについて詳しく解説します。

具体的には、不登校のお子さんがゲームに夢中になる理由や、依存症を防ぐための方法、そしてゲームばかりのお子さんに勉強を促す工夫など、現実的な解決策をご紹介します。

イライラや不安を軽減しながら、お子さんとの信頼関係を保つためのヒントをお届けします。

不登校の子どもはゲーム依存になりやすい?

不登校のお子さんはゲームに依存しやすいと感じる保護者は多いですが、ある調査(*1)によると、不登校に限らず、10代の16.9%がネットゲーム依存の傾向にあるようです。

このデータからわかるように、お子さんがゲームばかりしているのは決して珍しいことではありません。

しかし、不登校の状況下では、ゲームが「日常の逃避先」や「コミュニケーションの手段」として使われやすい環境が整っているため、依存症のリスクが高まる場合もあります。

ゲーム依存のリスク要因

時間の多さ

学校に行かず自由な時間が多いことで、ゲームに使う時間が増えます。ゲームの止め時がないため、依存しやすくなります。

達成感と自己効力感

ゲーム内で得られる成功体験や報酬が、不登校中に失われがちな「自分は役立つ存在だ」という感覚を補います。この感覚を得られることが気持ちよく、依存につながります。

ストレスの発散

不登校の理由に関わらず、ストレスや不安を抱えたお子さんにとってゲームは一時的に気持ちを和らげる手段となりやすく、依存性が高まります。

孤独感の軽減

オンラインゲームを通じた友達との交流が、リアルな人間関係の代わりになることもあります。

ゲーム依存の定義

ゲーム依存は、世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害(Gaming Disorder)」として定義しており、以下の特徴を持つ場合に該当します。

・ゲームをする時間や頻度が、自分で制御できない

・他の活動や関心よりもゲームを優先してしまう

・問題が起きてもゲームを続ける

不登校のお子さんに、これらの特徴が見られる場合、注意が必要です。

不登校だからこそ生じるゲーム依存のリスク

不登校のお子さんは学校に行くという日常のルーティンが崩れているため、自分自身で生活リズムを整えることが難しくなりがちです。

その結果、ゲームに時間を費やしやすくなり、依存的な状態に陥る可能性があります。

しかし、「依存=悪」と捉えるのではなく、ゲームがお子さんにとってどのような役割を果たしているのかを見極めることが大切です。

保護者が冷静に状況を把握し、過度な依存を防ぐサポートが求められます。

ゲーム好きだと不登校になりやすい?

「ゲームが好きなお子さん」と「不登校になるかどうか」は、直接的な因果関係があるわけではありません。

しかし、ゲームがお子さんの生活や心の状態に与える影響によっては、不登校の一因となる場合もあります。ゲームと不登校の関係性を詳しく解説します。

ゲーム好きなお子さんが不登校になる可能性が高まる要因

睡眠不足や生活リズムの乱れ

夜遅くまでゲームをしてしまうことで生活リズムが崩れ、朝起きられなくなり、その結果、学校へ行く習慣が途切れやすくなる可能性があります。

学校よりもゲームを優先

ゲームの中で得られる達成感や楽しさが学校生活を上回り、学業や学校の友人関係に対する関心が低下することがあります。

ゲーム内の人間関係の方が楽と感じる

ゲーム内では、自分の興味に合った人たちとつながることができるため、リアルな友人関係よりも居心地が良いと感じる場合があります。

ストレスの逃げ場として使う

学校でのいじめや勉強のプレッシャーから逃れるため、ゲームの世界に没頭してしまうことがあります。

すべてのゲーム好きが不登校になるわけではない

ゲームが好きでも、学校生活や家庭での生活が充実しているお子さんは不登校になる可能性が低いとされています。

ゲームそのものが問題ではなく、お子さんがゲームをどのように使い、他の生活とどのようにバランスを取っているかが重要です。

保護者が注目すべきポイント

ゲームに依存していないか確認する

ゲームの時間が長すぎて他の活動が疎かになっている場合は、依存のリスクを考慮する必要があります。

お子さんの学校生活に問題がないか把握する

ゲーム好きが不登校の直接の原因になることは少なく、学校でのいじめや学業のストレスが背景にあることが多いです。

学校での生活に何か問題がないか、お子さんの様子をよく観察しましょう。

ゲームを活用したポジティブな経験を支援する

ゲームをネガティブに考えるのではなく、ゲームを通じて得た知識やスキルを活かして、お子さんが自信を持てるようサポートすることも選択肢です。

不登校の子どもがゲームをする理由

ここでは、不登校のお子さんがどうしてゲームに依存しやすいのか、3つの理由を解説していきます。

①現実から逃避できるから

不登校のお子さんは学校で居場所や仲間が少ないため、孤独感に襲われているかもしれません。

そんな現実の孤独感から目を背けたくて、ゲームの世界に逃避している場合があるでしょう。

ゲームの中では、好きなキャラクターや世界観に囲まれ、心地よい興奮を感じることができます。また、オンラインゲームでは、匿名性のある他のプレイヤーと交流できるため、居心地の良さを感じることができるのです。ゲームの世界で得られる安心感や居場所感は、不登校のお子さんにとって大きな支えとなっているのです。

②ゲーム内ならコミュニケーションを取りやすいから

不登校のお子さんは、対人関係にストレスを感じることが多く、学校では友人関係の構築が難しい場合があります。そのため、ゲームの中でのコミュニケーションを社会的なコミュニケーションの代用としていることがあるでしょう。

オンラインゲームでは、プレイヤー同士でチャットができたり、ボイスチャットで会話ができます。匿名性のあるこのようなコミュニケーションは、不登校のお子さんにとって精神的な負担が少ないのです。ゲームを通じて得られるコミュニケーション経験は、実社会での人間関係構築の練習にもなるでしょう。

③ゲーム内では達成感や充実感を得やすいから

ゲームでは、目標を達成するごとに報酬がもらえたり、新しいステージが開放されるなどの達成感が得られます。

不登校のお子さんは、学校での達成感や充実感が得づらいため、ゲームの中で小さな達成感を積み重ねることで精神的な満足感を得ているのです。また、ゲームのクリアや高得点獲得といった目標達成は、できないことが多い実生活と比較するとある意味容易で、自信を回復する手段にもなりえます。

ゲームで得られる達成感が自己肯定感の向上に結びつき、結果的にゲーム依存を深めてしまう場合があるのです。

不登校の子どもがゲームとうまく付き合う方法

「ゲーム=娯楽」というイメージがあるため、お子さんがゲームをすることに対して、否定的な感情をお持ちの保護者も多いはずです。

ですが、お子さんのゲームを禁止してしまうのはNGです。

不登校のお子さんは、自分が不登校であることに対して少なからず罪悪感を抱いています。そんなお子さんにとって、ゲームは一時的に罪悪感を忘れられる手段です。

そのため、ゲームの禁止はお子さんがさらなる罪悪感を抱くきっかけを生み出す可能性があります。

また、ゲームをすることで、不安やストレスを和らげられます。お子さんは将来に対する不安や、不登校であることに不安を感じています。

ゲームばかりしているのは、「今はゲームでしかそんな気持ちを忘れられない」からです。不安やストレスを和らげるための別の手段を一緒に見つけてあげましょう。

ゲームを禁止する以外の対処法

お子さんが家でゲームばかりしていると、心配になってゲームを禁止してしまいがちです。ですが、前述のとおり、ゲームを禁止してしまうのは逆効果です。

それではどうすればよいのか、対処法を詳しく解説していきます。

①利用時間やルールを決める

一つめの対処法は「利用時間やルールを決める」です。

頭ごなしにゲームを禁止しても、かえって反発を招いてしまうだけです。

ゲームを禁止するのではなく「10時から14時まではゲームをしてもいい」などと、具体的な利用時間やルールを示してゲームをさせてあげるのがよいでしょう。

お子さんもゲームをしたいという欲求を満たせ、ストレスの解消にもつながります。

お子さんと話し合って、お子さんの意向を踏まえながら利用時間やルールを決めるようにしましょう。

②1日のスケジュールを立てる

1日中やることがないために、ゲームをしてしまっている場合もあります。

起床時間や就寝時間、勉強をする時間といった形で、1日のスケジュールを立ててしまいましょう。この時、自由時間を設けてあげることがお子さんにとって非常に大切です。

自由時間がないと、保護者に拘束されているという感覚になります。多めに自由時間を確保してあげるのもよいかもしれません。

お子さんが細かくスケジュールを立てるのを嫌がった場合には、日課やタスクを提示してあげるのも一つの手です。

③居場所を見つける

ゲームがお子さんの居場所だという場合もあります。

この場合、別の居場所を見つけないとお子さんがゲームから離れることはなかなか難しいです。

例として、お子さんの居場所の一つに「フリースクール」があります。フリースクールとは、何らかの事情で学校に通えないお子さんのための民間施設です。

フリースクールに通うことで、学校の出席として認められる場合もあります。

フリースクールについてはこちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

フリースクールとは?基本情報から学費・進学可否まで幅広く解説

その他にも、塾や教育支援センターなどがお子さんの居場所になり得ます。

お子さんと一緒にゲームや学校以外の居場所を探してみましょう。

ゲーム依存の子どもへの対応方法

ゲーム依存は、お子さんがゲームに過剰に没頭し、他の生活活動や人間関係に支障をきたしている状態を指します。

このような状況に対応するためには、お子さんの気持ちを理解しつつ、生活のバランスを取り戻すことが重要です。具体的な方法を説明します。

1. お子さんの気持ちを理解する

なぜゲームに依存しているのかを探りましょう。

ゲームが楽しいだけでなく、ストレスや孤独感から逃げる手段になっている場合があります。学校でのトラブルや家庭内の問題が背景にあることも。

否定や責める言葉を避けましょう。

「ゲームばかりして!」と叱るのではなく、お子さんがゲームに感じている魅力や理由について話を聞きましょう。

2. ゲームのルールを明確にする

時間制限を設定することが重要です。

「1日2時間まで」や「夜9時以降は禁止」など、具体的で現実的なルールを作りましょう。時間を制限することで、お子さんの生活リズムが乱れ、昼夜逆転生活になるリスクを軽減できます。

お子さんと一緒に相談して決めると納得感が生まれます。

ただし、ルールの徹底は柔軟に行うことがポイントです。

時間制限が破られたときに厳しく叱るのではなく、なぜ守れなかったのかを話し合い、改善策を考えます。

また、カレンダーやホワイトボードに時間を記入するなど、ルールを見える形にし、親子で共有すると効果的です。

3. 代替となる活動を見つける

ゲーム以外で楽しめる活動(スポーツ、絵画、音楽、料理など)を見つけることで、自然とゲーム以外に費やす時間が増える可能性があります。お子さんと一緒に新しい趣味を試してみましょう。

また、eスポーツ大会やゲームデザインのワークショップなど、ゲームの世界を広げる活動やゲームに関連するイベントに参加することで、モチベーションがポジティブな方向に向かうことがあります。

4. 専門家の助けを借りる

ゲーム依存の深刻度が高い場合、カウンセラーなどの専門家に相談することで、より適切なアプローチを知ることができます。

5. 保護者も柔軟な姿勢を持つ

完全に禁止してゲームを全て取り上げるのではなく、適切な時間で楽しむ方法を考える方が持続可能です。

お子さんと一緒に保護者もゲームをすることで、ゲームの魅力を共有しつつゲームとの適切な距離感を伝えられます。

ゲームしかしない子どもに勉強させる方法

ゲームに夢中なお子さんに勉強を促すのは簡単ではありません。

叱ったり強制したりするのではなく、ゲームの魅力やお子さんの気持ちを理解しながら、勉強への興味を引き出す方法を考えることが重要です。

1.  強制よりも関心を引く

ゲームと勉強を関連づける

たとえば、ポイント制を導入して、一定のポイントで特典(ゲーム時間の延長等)を与えることで、お子さんの勉強へのやる気が出る可能性があります。

その際、勉強時間やゲーム時間をタイマーで管理すると、時間の感覚が身に付きやすくなります。

ゲームの要素を勉強に活用する

お子さんの好きなゲームが歴史や科学、数学に関連している場合、その内容を勉強の題材として取り入れることで、勉強にも興味を持つ可能性があります。

ゲームのように達成感を感じられる仕組みを作る

勉強を「クエスト」に見立てて、クリアごとに報酬を設定するなど、達成感を感じられる仕組みを作ることで、勉強に対するモチベーションが上がる可能性があります。

2. 小さな目標を設定する

勉強を始めることへの心理的ハードルを下げるために、「10分だけやってみよう」と短い時間から始めるとよいでしょう。

また、大きな目標ではなく、小さな目標を段階的にクリアする仕組みを作ります。たとえば、「1問解けたら休憩」という形です。

3. 専門機関や教材を活用する

ゲーム感覚で学べる教材やアプリは、勉強に対する抵抗感を減らします。

家族だけでは難しい場合、学習塾や家庭教師など、プロのサポートを受けるのも一つの方法です。

ゲーム三昧の子どもにイライラしてしまう場合の対処方

お子さんが一日中ゲームばかりしていると、保護者としては不安や苛立ちを感じるのも自然なことです。

しかし、感情的に対応すると関係が悪化したり、お子さんのやる気を削いでしまう可能性もあります。冷静に向き合うための具体的な対処法を紹介します。

1. 自分の感情を見つめ直す

なぜイライラするのかを考えてみましょう。

お子さんが学校に行かず、家でゲームに夢中なことに対し、「将来が不安」「勉強をしないことが心配」といった根本的な感情を自覚します。

2. 完璧を求めすぎない

お子さんが「こうあるべき」という保護者の理想像から離れると、苛立ちや焦りが生じます。現実のお子さんを受け入れる気持ちを持つことが大切です。

3. 冷静さを保つための工夫

イライラしたときは深呼吸をしたり、一度部屋を出たりしてその場を離れることで気持ちを落ち着けます。

日記やメモに、自分の気持ちを書き出すことで感情を整理する時間を設け、冷静になるきっかけを作れます。

4. 第三者に相談する

同じ悩みを持つ保護者や専門家に話を聞いてもらうと、孤独感が軽減されます。

5. 保護者自身の時間を大切にする

お子さんにばかり気を取られず、保護者自身が充実した時間を過ごすことがイライラ解消につながります。

6. 子どもを信じる

ゲームに熱中している時期が永遠に続くわけではありません。お子さん自身に興味を持つことや学ぶ意欲を育むタイミングが訪れるのを信じます。

【出典一覧】

*1 タイプ別にみたネット依存傾向者と脱却者の分析
参考箇所:不登校がゲーム依存になるのはよくあること?

更新日:2024/12/27

不登校のお子さんのこと、1人で悩まないで

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