- 不登校中の過ごし方がわからない…
- 学校の代わりに習い事を始めた方がいい?
- どんな習い事を選べばいいかわからない
そんな悩みや疑問を持つ保護者の方も少なくないと思います。
この記事では、そんな悩みを解決するため、習い事がお子さんに与える影響やおすすめの習い事、習い事で失敗しないためのポイントを詳しく解説します。
不登校のお子さんは増えている
近年、日本では不登校のお子さんが増えており、社会問題にもなっています。
文部科学省の調査によると、小中学生1000人のうち31.7人が不登校という結果が出ています。
つまり、単純計算すると、30人のクラスに約1人ずつ不登校のお子さんがいます。
その原因は、人間関係・家庭環境・生活リズムの乱れなどさまざまです。
(出典1*)令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
不登校中に習い事に通うことは悪くない!
不登校中でも通える習い事を探すことは、お子さんに良い影響を与えると考えられます。不登校中に習い事をするメリットを3つご紹介します。
自信がつく
習い事をすることで、何かを練習して上達したり、目標を達成したりするなどの成功体験を積みやすくなります。
たとえば、ピアノのレッスンで先生にOKを貰って次の曲に進めた、前まで弾けなかった部分が弾けるようになった、などの出来事は大切な成功体験となります。
成功体験を積むことにより、お子さんの自信や自己肯定感が高まることにつながっていきます。
学校に行けていないことで、自信をなくしてしまうお子さんも少なくありません。学校以外の場で、いかに自信を深めるかが、お子さんにとって非常に重要になるでしょう。
家族以外の人との関わりが生まれる
不登校のお子さんは、どうしても家族以外との関わりが不足しがちになってしまいます。人との関わりや社会性を学ぶ大切な時期に、どんな人と関わるかは、お子さんの将来に大きな影響を与えるでしょう。
学校のクラスメイトや先生との関わりが不足する分、習い事に通うことは家族以外の人と関わる大切な機会になります。
習い事の先生と関わることで、家族以外の大人との関わりに慣れ、選ぶ習い事によっては、同世代の友だちができるかもしれません。
生活リズムが整いやすい
学校という生活の軸がないと、生活リズムが崩れやすくなってしまいます。また、生活リズムの乱れが原因で不登校になるお子さんも多くいます。
文部科学省の調査では、小中学生の不登校の要因は、「無気力・不安」が51.8%、次いで「生活リズムの乱れ、遊び、非行」が11.4%と多くなっています。
(出典2*)令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
生活リズムの乱れを整えるという観点でも、習い事は役立つでしょう。習い事は時間帯が決まっていることも多いため、それに合わせたリズムで習慣づけをしやすくなります。
成長期のお子さんにとって、規則正しい生活リズムや質の良い睡眠は非常に重要なので、習い事を活用して整えるのも一つの手です。
不登校におすすめの習い事5選
では、不登校のお子さんはどんな習い事を選べばいいのでしょうか。
おすすめの習い事5選をご紹介します。
①楽器・音楽
楽器の習い事には以下のようなものがあります。
- ピアノ
- エレクトーン
- ヴァイオリン
- ギター
- ドラム
音楽が好きなお子さんや、コツコツ練習できるお子さんにおすすめです。
楽器の習い事のメリットは、マンツーマンのレッスンが受けられることです。
集団での習い事はハードルが高くて不安に感じるお子さんも多いでしょう。
また、始めてからしばらくは練習が上達に直結し、上達度合いもわかりやすいので、自信を持つのに非常に効果的です。
②英会話
英会話の習い事もおすすめです。個別授業や集団授業、オンラインなどさまざまな形態があり、お子さんに合ったものを選ぶことができます。
英会話を習うメリットは、将来役に立つことや、会話の練習になることです。将来、英語ができて得をする場面は非常に多いでしょう。
吸収力のある時期に英語を学んでおくことは大きなアドバンテージになりますし、お子さんの自信にもつながります。
③美術系
イラストや工作などの美術系の習い事もあります。習い事での美術は、他者との競争要素が少なく、自分の好きなように自由に表現できるので、ストレスを感じにくいでしょう。
楽しみながら、感性やセンスを磨ける点がメリットです。内向的な性格のお子さんや工作が好きなお子さんにおすすめです。
④運動系
運動系の習い事には以下のようなものがあります。
- スイミング
- 体操
- バレエ
- ダンス
- 空手
- バドミントン
- テニス
- サッカー
- 野球
- バスケットボール
体を動かすことが好き・抵抗がないというお子さんにおすすめです。
不登校のお子さんは、運動不足になることが多いですが、習い事で運動をすることで心身の健康を保ちやすくなります。同世代のお子さんと関わる機会は多くなるので、お子さんの意向を第一に選んでいくとよいでしょう。
⑤プログラミング
あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、プログラミングを習うのもおすすめです。
集中力や思考力など、生きていくうえで大切な能力が身に付くでしょう。オンラインや個別指導などもあり、好きなものを選べます。
集団での習い事に抵抗があるお子さんや、一人でもくもくと作業をするのが好きなお子さんにおすすめです。
お子さんのタイプ別おすすめの習い事
不登校には、6つのタイプがあります。
タイプ別に特におすすめの習い事をご紹介します。
不登校の分類は以下の記事をご参照ください。
▶不登校のお子さんへの対応はどうする?タイプ別、年齢別に解説します。
学校生活上の影響型
学校生活の影響型のお子さんには、楽器、美術系、プログラミングなどがおすすめです。
人間関係や勉強面に要因がある場合が多いので、1対1でのレッスンや、一人で取り組むスタイルの習い事が向いていると考えられます。
あそび・非行型
英会話、美術系、運動系などが向いているでしょう。
あそび・非行型のお子さんは、家庭や学校で居場所がないと感じていることや、劣等感を感じていることが原因の場合があります。
したがって、お子さんが安心して過ごせる居場所になる習い事や、思うがままにできる環境が整っている習い事をするといいかもしれません。
無気力型
無気力型のお子さんは、美術系、運動などを選ぶといいでしょう。
お子さんが、日常生活に活気を感じられるように、好きなことや適度な運動をするのがおすすめです。
自分の好きなように活動できる美術系の習い事で心を豊かにしたり、運動系の習い事で身体を動かしたりすると、いい影響があると思われます。
情緒的混乱型
楽器、美術系、プログラミングがおすすめです。
情緒的混乱型のお子さんは、不安や劣等感を感じている場合があります。
習い事で、好きなことをして心を安らげたり、自己肯定感を高めたりするといいでしょう。
意図的な拒否型
意図的な拒否型のお子さんには英会話やプログラミングがおすすめです。
「意図的な拒否型」のお子さんは、学校の授業に不満を感じているなど、お子さんに強い意志がある場合が多いです。
自分の学びたいことや、将来役立つことを学べる習い事が向いているかもしれません。
複合型
複合型のお子さんは、お子さんの興味や性格に合わせて選びましょう。
お子さんのやりたいことを尊重することが大切です。
習い事選びで失敗しないためには?
習い事を始めたことで、お子さんが負担に感じてしまったり、逆効果になるのは避けたいですよね。
ここからは、習い事を選ぶにあたってのポイントをいくつかご紹介します。
お子さんのやりたい習い事を尊重する
さまざまな習い事の特徴をご紹介しましたが、最も大切なのはお子さんの気持ちです。
好きなことが1番続くし、楽しくなければ効果は薄れてしまいます。
お子さんが興味のあることや、挑戦してみたいことを尊重して選ぶといいでしょう。
継続できそうなものを選ぶ
習い事を継続することで、お子さんの自信につながります。
しかし、すぐにやめることになれば、逆に自信を喪失してしまうかもしれません。
魅力的な習い事であっても、ハードすぎる・遠すぎる・頻度が多すぎるなど、継続することが難しいものを選ぶと失敗する可能性があります。
適度な負担で、楽しみながら継続できるものを考えましょう。
疲れたら強要しない
やりたくて始めたものでも、心身の調子によっては、通うことに疲れるということ珍しくありません。
お子さんが疲れたと感じていても、無理に習い事に通う義務感が生まれると余計に追い込まれてしまいます。
お子さんのペースに合わせて、疲れている時は休むなど、無理のない範囲で通えるといいでしょう。それが長続きの秘訣です。
先生との相性を確認する
先生との相性は、習い事を選ぶうえで重要な要素の一つです。
特にマンツーマンの習い事での先生とのコミュニケーションは、家族以外との数少ない関わりです。
先生との相性が悪いと、他人との関わりにネガティブな印象を抱いてしまうかもしれません。
また、お子さんに対して理解を示し、寄り添ってくれる先生を選ぶことで、習い事を継続しやすくなり、楽しみながら自信を得られるでしょう。
まとめ
今回は、不登校のお子さんの習い事についてご説明しました。
- 自信がつく
- 家族以外との関わりが生まれる
- 生活リズムが整いやすい
このような面で、習い事はお子さんに良い影響を与えるでしょう。
おすすめの習い事として、楽器・英会話・美術系・運動系・プログラミングをご紹介しました。
習い事選びで失敗しないためには、以下の4つのポイントを意識することをおすすめします。
- お子さんのやりたい習い事を尊重する
- 継続できそうなものを選ぶ
- しんどくなったら強要しない
- 先生との相性を確認する
お子さんに合ったペースで、お子さんが楽しんで取り組める習い事をすることで、心身に良い影響を与えるでしょう。