子どもの不登校は親が疲れる!しんどい理由と気持ちを楽にする考え方・方法を解説

監修:中村洸太

監修:中村洸太

博士(ヒューマン・ケア科学)、臨床心理士・公認心理師・精神保健福祉士、池袋心理教育研究所代表、駿河台大学・聖学院大学・目白大学・ルーテル学院大学兼任講師 大学院修了後、心療内科・精神科クリニックや大学病院での勤務を経て、現在は、働くひとやその組織のメンタルヘルス支援などに関わる一方で、スクールカウンセラーとしても活動。小学校から高校生まで幅広く関わる。その他に、性的マイノリティのメンタルヘルス支援や弁護士向けのメンタルヘルス支援、オンラインを用いた臨床活動の研究や実践などを行う。

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目次

「うちの子が学校に行けなくなった」

お子さんが不登校になると、多くの保護者は大きなショックを受け、不安や疲れを抱えます。

「どうして学校に行けないのだろう」「私の育て方が悪かったのか」と悩み、気づけば心も体も疲れ切ってしまうことも少なくありません。

不登校は、お子さんだけでなく保護者にとっても試練の時期です。

しかし、不登校は決して「親の失敗」や「子どもの終わり」を意味するものではありません。不登校をきっかけに、親子の関係や家庭の在り方を見直し、新たな一歩を踏み出すきっかけにすることもできます。

本記事では、お子さんの不登校に悩む保護者が抱えるしんどさや疲れの理由を整理し、それを少しでも楽にする考え方や具体的な方法をご紹介します。

また、不登校のお子さんや家庭に見られる傾向、保護者が頼れる支援機関についても解説します。

「不登校でも大丈夫」と少しでも感じられるように、まずは深呼吸をして、一緒に心の負担を軽くするヒントを探していきましょう。

お子さんが不登校になると親が疲れてしまう理由

お子さんが不登校になると、多くの保護者は心身ともに疲弊してしまいます。主な理由を解説します。

1. 社会的なプレッシャー

「学校は行くのが当たり前」という価値観が根強い社会では、不登校に対する偏見や誤解が多く存在します。

周囲から「学校に行かせるのが親の役目」という暗黙のプレッシャーを感じ、孤独感や無力感を抱える保護者が少なくありません。

2. 自責の念

「自分の育て方が間違っていたのではないか」「もっと早く気づいてあげれば良かったのでは」と、自分を責める保護者が多くいます。

この自己否定感は、心の疲れをさらに強める要因になります。

3. 先行きの不安

「このままで大丈夫だろうか」「将来、社会で生きていけるのだろうか」という漠然とした将来への不安が保護者の頭から離れません。

特に、学校がお子さんの成長や将来の土台と考えている場合、未来への不安が疲労感を助長させます。

4. お子さんとの関係性の変化

お子さんが学校に行けなくなったことで、家庭内の雰囲気が変わる場合があります。

お子さんとどう接すれば良いのか分からず、親としての自信を失うこともあるでしょう。

5. 解決策が見つからないもどかしさ

保護者は「何とかして子どもを学校に戻したい」と考える一方、お子さんの気持ちに寄り添いたいとも思います。この葛藤が、保護者に精神的な疲れをもたらします。

不登校が続くのは母親が原因ではない

不登校は、単一の原因で起こるものではなく、学校環境やお子さんの性格、友人関係、家庭環境、社会の影響など、さまざまな要因が絡み合って発生します。

母親が育児に関与している割合が多い場合でも、不登校が「母親の責任」だと断定するのは過度な一般化に過ぎません。

文部科学省の調査によると、不登校の原因として多いのは、「友人関係のトラブル」や「学業不振」、「教師との関係」です。これらは学校内での出来事であり、母親の直接的な影響が及ぶ範囲外です。

また、不登校になるお子さんは、繊細な性格や感受性の高さを持っていることがありますが、これらは生まれ持った特性であり、育児スタイルだけで決まるものではありません。

不登校は、複数の要因が絡み合って発生し、母親が原因であると単純化することは論理的に誤りです。

周りが母親を責めたり、母親自身が自責の念に駆られるのではなく、お子さんのサポート体制を整えることが重要です。

疲れた気持ちを楽にする考え方

不登校は保護者にとって心配や不安を伴うものですが、「不登校でも大丈夫」と感じられるような考え方にシフトすることで、心の負担を軽くすることができます。

不登校は決して「終わり」ではなく、新しい道を見つけるための一歩と捉えましょう。

考え方1. 不登校は「成長のプロセス」の一部

不登校は、お子さんが自分の心や体の声に従って「休む」という選択をした結果です。

これはお子さんが自分の限界を認識し、無理をせず自分を守る力を発揮している証拠です。

学校に行けない時期は、お子さんの成長の一環と捉え、焦らず見守りましょう。

考え方2. 学校以外にも学びや成長の場はたくさんある

「学校に行かなければ学べない」という固定観念を手放しましょう。

お子さんは、家庭や地域社会、インターネットを通じて多くのことを学ぶことができます。読書や趣味、家族との会話なども成長につながります。

また、近年は通信制高校やオルタナティブスクールなど、学校以外にも多様な学びの選択肢が増えています。

お子さんに合う施設を探すことで、多様な成長を促すことができるかもしれません。

考え方3. 不登校は特別なことではない

日本では30万人以上の小中学生が不登校です。

今や不登校は珍しいことではなく、誰にでも起こり得ることです。「うちの子だけが特別ではない」と知ることで、孤独感や焦りを和らげられます。

考え方4. 将来の選択肢は無限大

不登校だからといって、将来の可能性が狭まるわけではありません。

多くの不登校経験者が、進学や就職など、自分に合った進路を見つけて成功を収めています。

お子さんが自分のペースで歩むことで、本当にやりたいことや自分らしさを見つけるきっかけになることもあります。

考え方5. 親子の関係を深めるチャンス

不登校は、親子がじっくり向き合うきっかけになります。

お子さんがどんなことを感じているのか、何を大切にしているのかを知るチャンスと考えましょう。

学校に行くことだけに囚われず、親子で過ごす時間を大切にすることで、信頼関係を築くことができます。

疲れた気持ちを楽にする対応方法

不登校のお子さんを支えるのは大変なことですが、保護者の思考の習慣を変えることで、追い詰められることがなくなり、家庭全体に余裕が生まれます。

ここで紹介する方法を実践しながら、焦らずお子さんに寄り添うことが大切です。

① 完璧主義をやめる

「良い親でいなければならない」「必ず学校に通わせるべき」というプレッシャーを手放しましょう。完璧を目指すあまり、自分を追い込み、疲れが蓄積することがあります。

お子さんにとって一番大切なのは、保護者が心穏やかでいることです。

「できる範囲で良い」と自分に言い聞かせ、過度な期待を捨てることで、気持ちが楽になります。

② 常識を疑う

「学校に通うことが当たり前」「登校できないのは問題」という固定観念を疑ってみましょう。

不登校は、お子さんの自己防衛や心の健康を守るための選択である場合もあります。

学校以外にも成長の場や学びの機会は多く存在します。不登校を「失敗」ではなく、別の可能性を見つけるための「転機」と捉える視点が大切です。

③ 意識を外へ向ける

不登校という状況に集中しすぎると、視野が狭くなり、余計に不安や孤独を感じることがあります。

保護者自身が趣味や地域活動、友人との交流など、自分の楽しみや関心事に目を向けることで、心に余裕が生まれます。

お子さんの問題に寄り添うことは大切ですが、保護者自身が充実感を得ることも家族全体のためになります。

④ 1人で考え込まない

不登校についての悩みは、1人で抱え込まず、信頼できる人に相談しましょう。

学校や専門機関、カウンセリングサービス、同じ立場の保護者が集う支援団体など、助けを求められる場所は多くあります。

誰かに話をすることで、自分の気持ちを整理したり、他の視点を得たりすることができ、解決の糸口が見えてくる場合もあります。

⑤ 親も無理をしない

お子さんをサポートするためには、保護者自身が健康であることが重要です。保護者が疲れ切ってしまうと、お子さんを支える余裕がなくなります。

疲れたときは、十分な休息を取り、自分の心と体を大切にしましょう。

「頑張りすぎる親」にならないよう、自分を責めるのではなく、「今できることだけで十分」と考えることが、お子さんにも安心感を与えます。

不登校家庭に見られる傾向はある?

お子さんが不登校になる家庭によく見られる傾向として、いくつかの特徴が指摘されています。

ただし、これらの傾向は全ての家庭に当てはまるわけではなく、不登校の背景は非常に多様であるため、該当しないケースも多いです。一般的な傾向をいくつか挙げます。

1. 過干渉や無関心など、親子関係がいびつ

不登校になるお子さんは、保護者との関係が非常に近く、時に保護者がお子さんの意思決定に干渉しすぎているケースがあります。これは「親の期待に応えられない」というプレッシャーになることもあります。

また反対に、保護者がお子さんに無関心な場合も不登校になりやすいと言われています。家族間のコミュニケーションが不足し、お子さんが悩みや感情を家族に伝えられないケースでは、保護者のサポートが不足していると感じることがあります。

2. 親の高い期待

保護者が教育熱心で、「勉強を頑張ってほしい」「良い成績を取ってほしい」といった高い期待を持っている場合、その気持ちがお子さんにとって重荷になることがあります。

3. 家族の問題を抱えている

離婚や経済的困難、家庭内不和など、家庭全体がストレスを抱える状況では、お子さんがその影響を強く受けることがあります。

4. 外部の助けを借りていない

トラブルや困りごとがあっても、学校や専門機関に相談せず、家庭内で問題を抱え込む家庭では、不登校が長期化しやすい傾向があります。

不登校のお子さんにありがちな傾向は?

不登校のお子さんには、いくつかの傾向が見られることがあります。ただし、これらの傾向はすべてのお子さんに当てはまるわけではなく、個々の状況や背景によって異なることを理解しておくことが大切です。

1. 感受性が強い

不登校のお子さんは、感受性が強く、些細なことにも過剰に反応してしまうことがあります。学校での人間関係や出来事に敏感に反応し、ストレスを感じやすいことが多いです。

このため、学校に行けなくなる理由として、他のクラスメイトたちとの関係や教師との接触に対する不安が大きいことがあります​。

2. 自己肯定感の低さ

学校での経験や友人関係において、自己肯定感が低くなり、学校に行きたくないという気持ちが強くなることがあります。

失敗やトラブルが続くことで、自己評価が低下し、「自分は学校に行くべきではない」と感じるお子さんも少なくありません。​

また、「こんな自分は何もできない」と将来に対する漠然とした不安が増し、その不安が行動や心理的な問題に影響を与えることがあります。

疲れたら支援機関へ!不登校に悩む親が相談できる窓口は?

不登校に悩む保護者が相談できる窓口は複数あります。以下はその一部です。

1. 担任の先生やスクールカウンセラー

お子さんの状況を最もよく理解しているのは学校の先生です。

担任やスクールカウンセラーに相談することで、学校内でのサポート体制を整えることができます。

学校が提供する支援サービスや教育支援センターについても情報を得ることができます。

2. 不登校支援センター

全国には不登校のお子さんやその家庭に向けた相談窓口があります。

たとえば、NPO法人や地域の教育支援団体が運営する不登校支援センターがあり、専門家によるカウンセリングや情報提供を受けることができます。

3. 児童相談所

児童相談所は、お子さんの福祉に関するさまざまな相談を受け付けています。家庭内での問題やお子さんの不登校の原因に対するアドバイスや支援を受けることができます。

4. 精神科・心療内科の相談

お子さんが精神的に不安定な場合、専門の医療機関での相談も有効です。お子さんの心のケアが重要であるため、医師と連携して適切な治療を受けることが大切です。

5. 不登校「親の会」

不登校に悩む保護者同士が情報を交換したり、励まし合ったりするグループもあります。これらのグループで、他の家庭の経験や知識を得ることができることもあります。

【監修者コメント】

不登校の場合、お子さんとのやりとりや学校とのやりとり、役に立ちそうな情報収集をしたり、学校外の機関に足を運んだりなど、保護者の方が多くの時間を割いている様子が伺えます。

特に、不登校の初期の段階は、突然の出来事にどうしていいのかわからない気持ちがあったり、先々の不安が生じたり、どのように子どもと接するのが正解だろうかと、多くの悩みや不安が生じやすい時期でもあります。本文の中でも紹介があったような考えが頭に浮かぶことは決しておかしなことではありません。

不登校が問題行動ではないという背景には、不登校という行動の裏には何かしらの理由があり、そこから身を守ったりするためにそうせざるを得ない場合などもあります。そんなことは頭でわかりつつも、それでも学校にいって欲しいという気持ちが頭をよぎることもあると思います。そんな葛藤を抱えながら、万人に共通の正解がない試行錯誤をしていくのは、なかなかしんどいことでもあると思います。

文科省「令和2年度不登校児童生徒実態調査」によると「学校を休んでいる間の気持ち」については、お子さんは「ほっとした・楽な気持ちだった」(小学生70%、中学生69%)、「自由な時間が増えてうれしかった」(小学生66%、中学生66%)が一定の割合を占めています。もちろん、一方で勉強や周囲への遅れの心配などを答えている子どもたちも少なくはありません。

したがって、不登校の状態の時は「ほっとできる安心感」と「先々の不安」などが入り混じることが考えられます。複数の感情が入り混じった状態にいるお子さんに関わる中で、保護者の方も様々な感情に揺さぶられることがあるかと思います。

更新日:2024/12/25

不登校のお子さんのこと、1人で悩まないで

無理をして今の学校に通わなくても、将来の選択肢はいくらでもあります。

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