不登校のお子さんと上手に向き合うために
不登校の子どもの数は年々増加傾向にあり、その原因も様々です。自分のお子さんが不登校になった時に、親が何をしてあげるべきか悩まれるのではないでしょうか。
親としては学校や社会に復帰させたいものですが、焦って学校に復帰させようとしたり、お子さんに負担をかけすぎてしまうと、お子さんは家庭内での居場所を失い、悪化してしまいます。
そうならないために、お子さんの気持ちに寄り添いながら、一緒にできることを探してあげましょう。
今回は不登校になったお子さんに対して、親にできる対応や対策、利用できる支援サービスもご紹介します。
①不登校の原因や子どもの気持ちを知るためにゆっくり話し合いを行う
不登校になったお子さんは、様々な理由や気持ちを抱えています。親子でゆっくり話しやすい場所や方法を用意してあげて、原因や気持ちを聞いてあげることが大切です。
ポイントは、お子さん自身も原因を理解していなかったり、単純な一つの原因ではないことが多いので、原因の特定や解決策を探すことにばかり躍起にならないことです。まずはお子さんの話に耳を傾け、気持ちを承認してあげましょう。
大前提として、どんな子にとっても、学校はストレスがかかる場所です。少し嫌な子がいたり、口うるさい先生がいたり、宿題が多かったり…。
そのようなストレスをクリアしながら、だんだんと大人になっていきます。その過程で不登校になる子とならない子の違いは「ストレス耐性」に違いがあることが多いです。
「ストレス耐性」は「承認」によって作られます。親や家庭がお子さんの気持ちや存在を承認し「自分はここに居ていいんだ」と確固たる自信を持たせてあげましょう。
②不登校の原因や対処が難しい場合は専門機関やカウンセリングに通う
例えばLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、アスペルガー障害などの子どもたちは、認知面の偏りが大きいため、集団における対人関係や学習スピードなどにおいて、適応できない状態になることがあります。
このような場合は親や家庭だけで適切な支援対応が難しいため、専門機関などでカウンセリングを実施してもらい、お子さんの特性に合わせて指導・支援をすることが必要です。
こういった場合以外も、家庭や親との話し合いや支援が難しい場合は抱え込まずに専門機関へ相談されることをおすすめします。
③不登校支援のサービスを活用する
不登校に悩む家庭には、両親が共働きや片親で仕事が忙しくお子さんとコミュニケーションをとる時間が確保できない場合もあります。また、家庭内の努力だけでは十分にサポートしきれず、親自身も不登校に悩んでいる場合も多くあります。
外部のサポートやコミュニティを頼ることで、お子さんの不登校の原因について理解を深めたり、お子さんも同じ境遇の友達とコミュニケーションをとって前向きになれたり、親同士での交流で気持ちが楽になることがあります。
先ほど述べたように、不登校のお子さんにとって大切なのは自分の存在を承認してくれる居場所があることです。近年不登校の子どもが増加傾向にあることを受け、国も不登校児童のためのサポートや、学校以外の教育機会の確保を、方針として明言しています。
(1)支援の視点
不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。「中略」
(2)学校教育の意義・役割
「中略」教育支援センターや不登校特例校,ICTを活用した学習支援,フリースクール,中学校夜間学級(以下,「夜間中学」という。)での受入れなど,様々な関係機関等を活用し社会的自立への支援を行うこと。
(引用)「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
このように、様々な教育機会の提供を国として目指しており、学校以外でも学習機会を得たり、人との関わりの機会を作りやすくなっています。
不登校のお子さんを支援する機関の種類や特徴を簡単にいくつかご紹介します。
お子さんの意向や目的に合い、無理なく続けられるサポートを探してみてください。
不登校カウンセラー
不登校カウンセラーは、主に不登校になったお子さんが心を開くきっかけを作ってくれます。
親や周囲の大人が「どうして学校にいけないの?」「何があったの?」と質問してしまうと、お子さんにとっては責められているように感じる場合もあります。お子さんの気持ちを引き出したい、寄り添いたい。けれど上手な話し方が分からない、という方はカウンセラーに相談することをおすすめします。
不登校カウンセラーは、お子さんが話したいことを話してもらうことや、気持ちを承認してあげることに長けています。カウンセリングを通してお子さんが心を開いて話をするきっかけを作ったり、お子さん自身も自分の気持ちを振り返ったりすることができます。
通われている学校内の担当カウンセラーに相談したり、NPO支援団体のカウンセリング、訪問カウンセリングのサービスなどもあります。お子さんの状況に合わせて探し、まずは電話などで相談してみてください。
適応指導教室
適応指導教室は、お子さんの学校復帰を目指し、基礎学習の補填や集団生活への適応、基本的な生活習慣の改善を支援してくれるところです。
各市区町村の教育委員会が管轄のため、市内に住んでいる不登校の児童が対象となります。
文科省の取り組みのため、活動状況を管轄校と共有しながら個別の状況に応じて支援してくれたり、授業料や利用料が無料で、お子さんにマッチして通い続けることができれば出席扱いとして認められることが特徴です。
通っている学校から紹介してもらったり、地域の教育委員会に相談して利用することができます。
フリースクール
フリースクールは民間の教育機関で、主に不登校や引きこもりの子どもに対して、学習や交流などの機会を提供し、学校に行けない子どもたちへ”第二の居場所”として支援をおこなっています。
教育機関ですので、それぞれの団体に教育方針があり、団体ごとに方針や活動内容は異なります。
学習のカリキュラムなどもそれぞれですので、まずはお子さんの意向とフリースクールの特徴が合っているかをポイントとして探してみるといいでしょう。
▼フリースクールの特徴や選び方について詳しく知りたい方はこちら
フリースクールとは?基本情報から学費・進学可否まで幅広く解説
オンラインフリースクールなら『SHINGAKU』
お子さんの希望や通学の事情により、オンラインでの学習を希望する場合はオンラインフリースクールがおすすめです。
SHINGAKUでは、自宅にいながら楽しく学習やコミュニケーションを取ることができます。また、出席扱い制度の申請サポートも対応しています。
出席扱い制度とは、フリースクールや自宅でのICT(PCやアプリケーションなどの通信技術の総称)による学習で、不登校のお子さんでも、出席扱いとなる制度のことです。
学校へ行かなくても出席扱いとして認められ、書類や調査書に出席日数を記録することができ、お子さんの将来の選択肢が広がります。お子さんが頑張って学習をした証を残せるのは、進学に関してメリットがあるだけでなく、お子さんの自己承認や自信にもつながるはずです。
▼出席扱い制度について詳しく知りたい方はこちら
フリースクール・ICTでの学習は出席扱いされる?要件やフリースクール選びのポイントを解説!
SHINGAKUは関西で60年の歴史ある成基コミュニティグループが運営母体ですので、安心してご利用いただけます。
まとめ
お子さんの不登校には様々な要因があり、親子でゆっくりと気持ちに向き合い承認しながら、無理のないペースでお子さんに合った解決方法を探すことが大切です。
そのためのサポートとして、カウンセラーやフリースクール、オンラインでのサポートをご紹介しました。
お子さんの意向に合わせて、ご自身たちに合った方法で解決に向かわれることを願っております。
【出典一覧】
*1 文部科学省|令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
参考箇所:本文冒頭
*2 四日市市|不登校とは(不登校の定義とタイプわけ)
参考箇所:不登校の原因や対処が難しい場合は専門機関やカウンセリングに通う
*3 文部科学省|不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
参考箇所:不登校支援をしてくれるグループへの参加