不登校のお子さんに何かコミュニケーションの場を持ってほしいと思う保護者は多いのではないでしょうか。現代では、人と関わる場は現実世界だけでなく、インターネット上にもたくさんあります。
不登校のお子さんのコミュニケーションの場として、メル友をつくることはオススメです。
今回は、不登校のお子さんにメル友ができるメリット・注意点・メル友のつくり方・メル友以外のコミュニケーションの場について解説します。
不登校のお子さんのコミュニケーションの場をお探しの方は、ぜひ最後までご覧ください。
メル友は不登校のお子さんにとってコミュニケーションの場になる?
先ほども述べた通り、メル友はコミュニケーションの場になります。
ここではその理由を解説していきます。
近くにお友達がいなければメル友はオススメ
お子さんに、対面で気軽に話せる人がいない場合、メル友をつくることはオススメです。
メル友をつくることは、非常にハードルが低いです。顔を合わせて話す必要がなく、返信も自分のペースでできます。そのため、人とのコミュニケーションに不安がある不登校のお子さんでも、無理なく友達をつくることができます。
また、学校では気の合う友達が見つからなくても、メル友なら世界中の人とつながることができるので、気の合う友達を見つけやすいでしょう。共通の趣味を持つ相手と交流できることで、お子さんの楽しみになるかもしれません。
不登校のお子さんの多くは孤独を感じていますが、インターネット上でも「どこかで誰かとつながっている」と思えることで、精神的に安心できます。
お子さんが人と関わる第一歩として、メル友をつくるのは良い方法でしょう。
不登校のお子さんにメル友ができるメリット
ここでは、不登校のお子さんにメル友ができる3つのメリットを解説します。
①人と関わる機会になる
メル友をつくることで、さまざまな人と関わることができます。人と関わる機会の少ない不登校のお子さんにとっては、たとえインターネット上のコミュニケーションだとしても、良い経験になるでしょう。お子さんのコミュニケーションスキルを向上させることにもつながります。
先述したように、メールはとても始めやすいものなので、人と話すのが苦手なお子さんにもピッタリです。家族以外の人とも関わってみたいけど、実際に会って話す自信がない、というお子さんでも、メールなら気軽に友達がつくれるでしょう。
メールを通じてさまざまな人と交流することで、お子さんの視野が広くなり、多様な価値観を受け入れられる人に成長することも期待できます。
また、コミュニケーションが上手くいかなくなったり、ストレスを感じるようになった場合には、すぐに関係性を切ることができるのも、インターネットならではの利点です。
②お子さんが価値観の合う人に出会えるかもしれない
メールを使えば、世界中の人と関わることができます。もしお子さんが、学校には気の合う友達がいないと悩んでいても、メールを介せば、価値観の合う人に出会える可能性が高いです。
家族に対してもあまり話をしないお子さんには、インターネット上のやりとりでも自分の理解者ができることが心の支えになるかもしれません。
③お子さんが悩みを相談できる相手を見つけられる
メル友には自分の素性を知られていないため、気軽に悩みを相談することができます。誰かに悩みを漏らされる可能性がないため、遠慮や気遣いなく本音で話せるのです。
不登校の原因がわかっていない、カウンセラーとの対話を嫌がっている、という不登校のお子さんは少なくありません。家族や担任の先生にもなかなか本音を話せない場合、本音を打ち明けられるメル友の存在はお子さんにとって支えとなるはずです。
悩みを相談することで心が軽くなるでしょうし、メル友に励まされて、何か行動に移すこともあるでしょう。
不登校のお子さんがメル友を持つときの注意点
ここまで不登校のお子さんがメル友をつくるメリットを述べてきましたが、メル友との交流には注意点もあります。メル友はインターネット上の関係だからこその危険性を秘めています。ここでは、メル友の注意点を解説します。
トラブルに巻き込まれる可能性
顔の見えないオンライン上の人間関係においては、悪意を持っている人もいます。メル友の代表的なトラブルとしては、以下のことがあげられます。
- 自分のメールアドレスを勝手に使われる
- メールを続ける中で、怪しいサイトに誘導される
- 性的な発言をされたり、写真を強要される
メル友の悪意は、お子さん本人が気をつけていれば防ぐことができます。しかし、一旦仲良くなって心を許してしまうと、相手の言うことを受け入れやすくなり、何か頼まれたときに断りにくいと感じてしまうこともあるかもしれません。
メル友に実際に会うことは危険を伴う
メル友と仲良くなると、「実際にメル友に会ってみたい」とお子さんが言うかもしれません。しかし、相手の話す情報はどこまで本当かわからず、悪意を持った人である可能性もあります。そのため、実際に会うのは非常に危険です。
お子さんがメル友に会いたくなってしまったときに、どう対応するかをしっかり考えておく必要があるでしょう。
個人情報の取り扱いに注意が必要
個人情報の取り扱いにも注意が必要です。
インターネットで知り合った相手が本当に信頼できるかどうかを判断するのは難しいため、
個人情報を安易に伝えないように指導しましょう。住所や電話番号、学校名、家族構成などの詳細な情報を相手に伝えることは避けるべきです。
関係性が希薄な相手だからこそ難しい部分も
メル友という関係性が希薄な相手だからこその難しさもあります。
まず、関係性が希薄なために、発言に気を使わないことが増えるかもしれません。
これはメリットでもありますが、一方で心無い言葉を受け取ったり、逆に相手を無意識に傷つける言葉を発してしまうリスクも伴います。インターネット上ではお互いの顔が見えない分、相手の感情や反応を読み取るのが難しく、誤解が生まれやすいです。
また、突然相手からの連絡が途絶えることも少なくありません。
これはメル友という関係の特性上、よくあることですが、特に不登校で孤独感を抱えているお子さんにとっては、大きなショックとなる可能性があります。長く続いていた交流が突然途絶えた場合、その理由がわからないまま不安や失望感を抱くこともあるでしょう。
こうしたリスクを軽減するためには、あくまでもインターネット上の関係であることを丁寧に伝え、「メル友が希薄な関係である」とお子さんに理解してもらうことが重要です。
関係性が希薄な相手だからこそのメリットとリスクをしっかりと理解し、心の準備をしておくことで、メル友との交流を健全に楽しめるでしょう。
不登校のお子さんがメル友をつくる方法
ここでは実際に不登校のお子さんがメル友をつくる方法をご紹介します。
①掲示板を利用する
メル友は掲示板で募集することができます。メル友を探すための掲示板がインターネット上にあるので、そこでメル友になってくれる人を探してみましょう。
掲示板なら多くの人に見てもらえるため、自分に合ったメル友を探すことが可能です。趣味や自分の環境・話したいことなど、自分のことを書くと、いい相手に出会いやすいでしょう。
逆に、メル友を募集している人の掲示板に、声をかけてみるのも一手です。安心して友達になれそうな人を自分で探すことができます。
②SNSで探す
今はメールよりもSNSでのやり取りが主流となっているので、SNSでメル友を探すと相手が見つかりやすいかもしれません。SNSで募集をかけてみて、メル友になってくれる人を探してみましょう。
メールという形にこだわらないのであれば、そのSNSのメッセージ機能を使ってやり取りすることもできます。SNSのメッセージ機能は手軽でオススメですが、「既読」が相手にわかるなどのシステムがあるため、気にしてしまう人は避けた方がいいでしょう。
メール以外でコミュニケーションの場になるところ
メル友は、不登校のお子さんのコミュニケーションの場となることができます。しかし、メル友には危険な面もあります。ここでは、メル友のデメリットが気になる人に向けて、他の選択肢をご紹介します。
学習塾・家庭教師
不登校の原因が学校での人間関係などの場合は、学習塾に通ってみることがオススメです。塾では同年代の友達が作れるだけでなく、学校の勉強の遅れをカバーすることもできます。
また、家庭教師もオススメです。家庭教師では同年代の友達はできませんが、先生と深い信頼関係を築くことが期待できます。
習い事
習い事をしてみるのも、コミュニティづくりにオススメです。複数人でレッスンを受けるものだと、生徒同士で仲良くなりやすいでしょう。
習い事でお子さんの熱中できるものが見つかると、お子さん自身が前向きになって、不登校が解決する場合もあります。コミュニケーションの場としてはもちろん、お子さん自身がやりたいと思えることを習うのが大切です。
同年代の子が多い習い事もあれば、さまざまな世代と関われるものもあります。お子さんに合うものを探してみましょう。
地域のコミュニティ
地域のコミュニティでは、さまざまな年代の方と関わることができます。地域のコミュニティの活動としては、ボランティアや地域活性化の取り組み、地域イベントへの参加があげられます。
塾や習い事と違って義務感は少なく、自分のペースで参加できるのが利点です。幅広い世代の多くの人と関わったり、自分で考えて活動することも多く、人間的な成長も期待できます。
フリースクール
フリースクールは、不登校のお子さんのための民間の教育施設です。フリースクールの規模や形態・指導方針はさまざまであるため、お子さんに合ったものを探す必要があります。対面だけでなく、オンラインのフリースクールも多いです。
フリースクールでは同年代の、同じ境遇の人が多いため、不登校のお子さんも心を開きやすいでしょう。フリースクールは他のコミュニティに比べて一緒に活動する時間が長いため、より親密な関係になり、お子さんの居場所となることが期待できます。
また、フリースクールに通うことで学校の「出席扱い」にしてもらえることもあるので、お子さんの進学が心配な方にもオススメです。フリースクールでは勉強の遅れもカバーできます。
まとめ
この記事では、不登校のお子さんにメル友ができるメリット・注意点・メル友のつくり方・メル友以外のコミュニケーションの場を紹介しました。
不登校のお子さんにメル友ができると、お子さんが人と関わる機会になり、悩みを相談する相手ができるというメリットがあります。しかし、インターネット上には悪意を持った人もいるため、メル友になる人が絶対に信頼できるわけではありません。お子さんが危険な目に合わないように、注意してメル友を探し、やりとりする際も個人情報を漏らさないなど気を付けることが重要です。
メル友以外にも、塾・習い事・地域のコミュニティ・フリースクールなどでお子さんの居場所をつくることはできます。
お子さんに合ったコミュニケーションの場を探してみましょう。