不登校は母親のせい?原因と対策を徹底解説!

監修:村上実優

監修:村上実優

累計7万人以上の指導実績を持つ成基の個別指導塾「ゴールフリー」で教室長を務めた後、シンガクの教室長に就任。子どもの本来持つやる気や意欲を引き出す“教育コーチング”のスキルを活かし、学校以外の多様な学びの機会提供と、子どもが安心して過ごせる居場所づくりを目指してシンガクを運営している。

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目次

お子さんが不登校になると、「母親のせいで不登校になった」「母親の育て方が悪かったんだろう」といった心無い言葉に傷つくこともあると思います。

お子さんの不登校は本当に母親のせいなのでしょうか?

本記事では

・お子さんの不登校は母親が原因なの?

・不登校の原因になりやすい母親の特徴は?

・不登校の原因が母親にあると感じた時の対処法は?

といった疑問について解説していきます。

母親が不登校のお子さんのためにできることについても説明していくので、不登校のお子さんに悩んでいる方の参考になれば幸いです。

お子さんの不登校は母親のせい?

お子さんが不登校になると、その原因を「母親のせい」とされることは少なくありません。しかし、不登校が本当に「母親の影響」なのかというと、一部では原因となっているケースもありますが、それはあくまで一部の事例に過ぎません。

不登校の原因が母親と無関係であることはよくあります。

その理由について詳しく説明します。

不登校には多様な原因が存在する

前提として、不登校の原因は1つに絞ることが難しいことが多く、いじめや学業不振、人間関係のトラブル、生活環境の変化など、さまざまな要因が絡み合って生じることが多いです。

母親のお子さんへの接し方が不登校の一因である場合もありますが、それだけが原因とは限りません。

お子さんそれぞれの性格や感受性が影響する

お子さん一人ひとりの性格や感受性、ストレス耐性によって、不登校の原因やトリガーは異なります。

たとえば、HSC(Highly Sensitive Child)と呼ばれる非常に敏感な性質を持つお子さんは、学校環境の変化や友人関係のトラブルに対して過剰に反応してしまい、不登校に発展することがありますが、HSCは生まれ持った気質であるため、こういったケースでは母親は原因ではありません。

心理的要因

お子さんの精神的な健康問題、たとえばうつ病や不安障害などが不登校の背景にある場合があります。

これらの問題は複数の要因から生じるものであり、母親が原因とは限りません。

社会的・環境的な要因

学校の環境や社会的なプレッシャーが不登校の原因となっていることがあります。

たとえば、進学校の厳しい学習環境や過度な競争がお子さんにストレスを与え、それが不登校につながっているようなケースでは、母親が原因であるとは言えません。

また、担任の先生との相性が悪かったり、学校内でいじめがあったりするなど、学校環境が不登校の直接の原因となっているケースも母親が原因ではないでしょう。

父親やその他の家族の影響

不登校の原因が学校や本人ではなく家庭にある場合でも、それが母親ではなく、父親やほかの兄弟が影響していることがあります。

家庭内のコミュニケーション不足や親子間の関係性が複雑な場合も、自己肯定感の低下などで不登校に影響を与えることがありますが、これは母親だけが原因ではなく、両親の関わり方の問題です。

安易に母親だけに原因があるような捉え方をすることで、原因を誤って認識してしまう可能性があるので注意が必要です。

文化的・歴史的背景

日本古来の伝統的な家族観では、母親がお子さんの養育に対して大きな責任を負っているとされてきました。

このため、不登校などお子さんに問題が発生した際に、母親が原因として挙げられがちです。

しかし、現代の研究では、お子さんの成長には家族全体のコミュニケーションや社会的な要因が複雑に絡み合っていることが示されており、母親一人を原因とするのは過度に単純化された誤った見方です。

お子さんの不登校の原因になりやすい母親とは?

お子さんの不登校の原因が、一概に母親にあるとは言えないとご説明しましたが、不登校にはお子さんの性格が影響していることがわかっています。

そして、その性格形成には、家で長い時間を一緒に過ごす母親の影響が関係している可能性があるのも事実です。

性格は、お子さんが生まれ持った気質と育つ環境によって形成されていきます。

この「育つ環境」は母親の影響下にあるため、「不登校の原因は母親にある」という認識を持つ人が一定数いるのでしょう。

しかし、先ほどご説明したように、家庭環境は母親だけがつくっているものではなく、父親やその他の兄弟が共につくりだしているものです。

不登校の原因を一概に「母親」と決めつけてしまうのは事実誤認です。

では、お子さんが不登校になりやすい傾向の母親の特徴にはどんなことがあるのでしょうか?

特徴① お子さんに無関心

不登校の要因として非常に多いのが、はっきりとした原因のない「無気力・不安」ですが、お子さんに無関心な家庭で育った結果、「無気力」となり引きこもりになった事例を紹介したいと思います。

小学4年生のAさんの家庭は両親ともに仕事で忙しく、ご飯は食卓に並べられた出来合いの惣菜などをAさんが1人で食べ、夜も1人で眠るという生活スタイルでした。

両親は学校の発表会や授業参観も欠席することが多く、休みの日もたまった家事で手一杯だったため、Aさんの話をゆっくり聞いてくれるような余裕はありません。

家のことを手伝っても「当たり前」とされ、テストで良い点をとったり絵画コンクールで賞をもらったりしても両親の反応は薄く、褒められる経験がほとんどありませんでした。

Aさんは、徐々に何事にもやる気がわかず、無気力になっていき、結局学校に行くこともできなくなってしまいました。

実は、Aさんの母親は「子どもに無関心」だという自覚がなく、「自分たちは子どもの自主性を大切にしている」と考えていました。しかし、お子さんの自主性への過剰な期待はお子さんに無関心であることと同じです。

お子さんに無関心な家庭では、お子さんの心は常に満たされていません。よって、自分の存在に対して否定的になってしまい、不登校へとつながってしまうのです。

また、本人が親から関心を持ってもらっていないため、お子さん自身も人に対して無関心な大人へと成長します。最終的には人にだけでなく社会にまで関心を持たなくなり、不登校からひきこもりになるケースも少なくありません。

特徴② 過保護に接しすぎている

小学5年生のBさんの母親はとても真面目な方で、子育てにも一生懸命取り組んでいました。

朝寝坊をしないか?

持ち物を用意できるか?

習い事に遅刻しないか?

本来であればBさんが自分で考え、行動すべきことを全て母親が先回りし、問題が起こらないように対処するという生活習慣となっており、母親はBさんよりも緊張感を持ってBさんの身の回りのことに取り組んでしまっていました。

過保護な親はお子さんがやるべきことを先回りして行うため、お子さんの自己解決能力が育ちにくくなります。

保護者がいないと何もできないお子さんにとって、自分1人で問題を解決しなくてはならない学校へは行きたくないという心理につながってしまうことがあります。

お子さんにとっての「失敗」は、絶対にあってはならない「間違い」ではなく、これからの成長に欠かせない「経験」です。Bさんは経験を通して学ぶことができなかったため、何か少し難しいこと、ちょっとした失敗があると立ち向かうことも立ち直ることもできず、母親が守ってくれる安全な家に逃避するという結果になっていました。

特長③ 管理しすぎる

過干渉と似ていますが、お子さんに対して「こうなってほしい」「こうするべき」という思いが強すぎる母親は、自分の持つ価値観をお子さんに押し付けて、お子さんの行動を管理しようとします。

しかし、母親に行動を管理されて育ったお子さんは、自分で考えて行動したり、自分で工夫して問題を解決するなどの対応力が育ちません。

学校で発生した問題に対しても、うまく自分で対処できないことが増えるでしょう。

また、お子さんにとって母親が安心して相談できる相手ではなかった場合、不登校の原因となっている悩みなどを上手く相談できず、問題が深刻化することもあります。

特長④ 批判的

お子さんに対して常に批判的なことも良くない特徴の1つでしょう。

マイナス思考の方に多いのですが、お子さんの良かった結果より、悪かった結果をピックアップして考えてしまう癖がついている母親は、お子さんの成績がよくても褒めることがなく、成績が悪かったときに責めてしまう傾向があります。

日常的に良かったことを褒められるのではなく、良くなかったことを指摘され、批判されていると、お子さんは、自分の言動に自信が持てず、自己肯定感が下がってしまいます。

自己肯定感が低いと、嫌なことや困難なことに対して「なんとかなる」と前向きに考えることができず、さまざまなことから逃げてしまうことが多くなります。

お子さんの不登校の原因が母親だと感じたときはどうしたらいい?

お子さんの不登校の原因が母親である自分だと感じたとき、まずは自分を責めずに、冷静に状況を見つめることが大切です。

ここで説明するステップで、問題に向き合ってみるのがよいでしょう。

1. 自己反省と感情の整理

お子さんの不登校の原因が自分にあると気づいた場合、自分を責める気持ちや罪悪感が湧くと思いますが、まずは冷静になることが大切です。

感情を整理し、自分の気持ちを認めることから始めましょう。

お子さんとの関わり方や日々の言動を振り返り、どのような状況が不登校に影響していると感じるのかを考えてみます。ただし、過度に自己批判的になるのではなく、客観的な視点を持つことが重要です。

信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうことも重要です。他者の視点からの意見やアドバイスが、新たな気づきを与えてくれることがあります。

2. お子さんとのコミュニケーション

お子さんと率直に話し合い、自分が感じていることを伝えます。

「お母さんが原因だと思っているけれど、あなたはどう感じているのか教えてほしい」といった形で、お子さん自身がどう思っているのかを聞き出せるとよいでしょう。

話をする際は、お子さんが話しやすい環境を作り、お子さんの感情や考えを否定せずに受け入れることが大切です。

3. 専門家のサポートを求める

専門家であるカウンセラーや心理士に相談し、第三者の視点から状況を見てもらうことも役立ちます。

カウンセリングを通じて、お子さんと母親の関係性を見直し、改善のための具体的なアドバイスを受けることができます。

また、母子だけではなく、家族全体でのセラピーや相談を通じて、家庭内のコミュニケーションや関係性を改善する方法を探ることもおすすめです。

4. 家庭内のコミュニケーションの見直し

お子さんと過ごす時間を増やし、お子さんが感じていることや考えていることをより理解できるよう努めましょう。

たとえば、家庭でのコミュニケーションスタイルを見直し、お子さんの意見を尊重する方向にシフトします。

また、親子関係を改善するため、たとえば、ポジティブなフィードバックを意識的に増やしたり、一緒に趣味を楽しむ時間を設けるなど、信頼関係を築くための時間を大切にするとよいでしょう。

不登校のお子さんに対して母親は何をすべき?

不登校のお子さんに対して母親が取るべき対応は、理解と共感、サポートの提供、適切なコミュニケーション、そして専門家との連携です。

1. 理解と共感を示す

まず、お子さんのつらい気持ちや不安をしっかりと受け止め、理解しようと努めることが大切です。

「学校に行けなくて辛いね」と共感する言葉をかけ、無理に学校に行かせようとするのではなく、お子さんのペースに寄り添います。

お子さんが抱えている不安や悩みを否定せず、受け入れる姿勢を持ちます。問題を軽視したり、「頑張れ」という言葉でプレッシャーを与えるのではなく、まずは気持ちに寄り添いましょう。

2. オープンなコミュニケーション

お子さんが話したいと思ったときに話せるような、安心できる環境を整えます。

無理に聞き出そうとせず、お子さんのタイミングを尊重し、話したいことを自然に話せるようにサポートします。

また、保護者としてどんなときでも味方であることを伝えます。お子さんが安心して話せるよう、日常的なコミュニケーションを大切にしましょう。

3. 専門家のサポートを利用する

お子さんの精神的な健康を守るため、心理カウンセリングや精神科医のサポートを受けることが有効です。

専門家の助言を受けることで、適切な対処法を見つけることができます。

担任の先生やスクールカウンセラーと連携し、学校側の対応やサポートを確認します。学校復帰に向けた段階的な計画を立てるためにも、学校との密な連携が重要です。

4. 家庭内のサポート

規則正しい生活を支援し、適度な運動やバランスの取れた食事を提供することでお子さんをサポートすることができます。

また、お子さんが趣味や興味を持っている活動を楽しめる時間を設け、心のリフレッシュを促します。

5. 小さな成功体験を積み重ねる

お子さんが無理なく達成できる小さな目標を設定し、達成感を味わえるようサポートします。例えば、短時間の登校や家庭学習の進展など、小さな成功を積み重ねることで自己肯定感を高めます。

お子さんが努力したことや進歩したことをしっかりと認め、ポジティブなフィードバックを習慣づけましょう。お子さんの自己肯定感を高め、次のステップに進む意欲を持たせます。

まとめ

この記事を読んでくださっている方は、「不登校の原因は私だったのかもしれない」とこれまでのお子さんへの接し方を不安に思っていらっしゃる方が多いと思います。

しかし、不登校の原因を母親に限定して考えると、問題の本質を見誤る可能性があります。

不登校は多くの要因が絡み合って生じるものであり、母親だけを原因とするのではなく、お子さん一人ひとりの状況に応じて、包括的に原因を探り、対応する必要があります。

まずは、お子さんが不登校になりやすい保護者の特徴にあてはまらないような言動を心掛けて、お子さんとの関わり方を見つめ直すことから始めてみてくださいね。

決して原因は母親だけにあるのではありません。ご自身を責めず、お子さんとのコミュニケーションを増やし、寄り添ってあげてください。

不登校のお子さんのこと、1人で悩まないで

無理をして今の学校に通わなくても、将来の選択肢はいくらでもあります。

実際に、オンラインフリースクールシンガクの生徒さんの多くは、自分で将来の夢を見つけ、生き生きと過ごされている方が多いです。

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