お子さんが登校前に腹痛を訴えることはありませんか?一時的なことなら大丈夫なのですが、もしかすると病気の可能性もあります。また、放置しておくとお子さんが不登校になってしまう可能性も…
この記事では、お子さんが学校に行く前に腹痛を訴える理由、腹痛を訴えられたときにするべきことを解説しています。
ぜひ最後まで読んでみてください。
お子さんが学校に行く前に腹痛を訴えるのはなぜ?
お子さんが学校に行く前に腹痛を訴えるのには、二つの理由があると考えられます。
その2つについて詳しく紹介します。
ストレス
考えられる理由の一つがストレスです。
ストレスと腹痛の関係性は、医学的にも関連があると考えられています。
お子さんが登校前に腹痛を訴えることが続く場合は、学校に行くことに対して何らかのストレスがあると考えられるでしょう
(*出典1)四谷内科・内視鏡クリニック|腹痛とストレス
病気の可能性
もう一つの理由として考えられるのが「病気」です。
考えられる病気の種類としては
- 過敏性腸症候群
- 起立性調節障害
の2つが挙げられます。
以下それぞれの病気について詳しく紹介します。
<過敏性腸症候群>
腸自体に特別な炎症がないのにも関わらず、腹痛や便秘・下痢などの症状が続く病気です。
登校前に腹痛を訴える原因として最も可能性が高いのがこの病気です。
学生を中心とした若い世代によく見られる病気で、不登校につながることも多いと言われています。
この病気はストレスとの関連が非常に高いです。そのため、治療の際には腸だけでなくこおころの治療も必要となります。そのため「学校に行きたくない」、というストレスが腹痛を引き起こしていることがよくあります。
特徴としては
- 週1回以上腹痛がみられること
- 便秘・下痢が繰り返されること
- 排便により腹痛が軽減されること
の3つが挙げられます。
(*出典2)厚生労働省|過敏性腸症候群
<起立性調節障害>
起立性調節障害は自立神経系の異常によって起こります。
主な症状には、
- 立ちくらみ、めまい
- 頭痛
- 倦怠感
- 腹痛
- 動悸
- 朝起きられない・夜寝られない
といったものが挙げられます。
この病気も学生によくみられ、中学生の約1割が発症していると言われています。原因は、生活リズムの乱れや日常活動の低下による身体機能の低下、ストレスなどです。
この病気によって遅刻や欠席が増え、不登校になることも多々あるようです。
(*出典3)一般社団法人 起立性調節障害改善協会|起立性調節障害とは?
腹痛を訴えているお子さんに対してすべきこと3選
腹痛を訴えているお子さんにすべきことは3つあります。
以下、それら3つを紹介します。
お子さんの気持ちを受け入れる
まず大切なことはお子さんの気持ちを受け入れることです。
お子さんの腹痛が仮病か病気かどうかに関わらず、「学校に何かしらのストレスを抱えている」可能性は高いです。
お子さんが「お腹が痛くて学校を休みたい」と訴えてきた際には、その言葉を受け入れ、その日は学校を休ませてあげましょう。
学校を休ませてあげた後は、症状について優しく聞いてあげましょう。
体調・学校について聞いてみる
そして、学校を休ませた後にするべきことが「体調・学校について聞く」ことです。
まずは体調はどうなのか気にしてあげましょう。過敏性腸症候群や、起立性調節障害の場合、学校を休んで、午後になると腹痛が軽減されたり、治ることが多いそうです。
具体的な症状を参考にして、病気かそうでないかを見極めましょう。
以上で挙げた症状に当てはまる場合は、上の2つの病気を疑ってみるのもよいかもしれません。
また、腹痛と学校の関連がないかどうかを確かめるために、学校についてお子さんに聞いてみましょう。
学校がストレスであった場合には、学校を少しの間休ませてあげるのもよいかもしれません。
病院を受診する
お子さんが高い頻度で腹痛を訴える場合には、病院を受診してみましょう。
お子さんも病院で診療してもらうことで、気持ちが少し楽になるはずです。
また、症状に応じた薬も処方してもらえます。
腹痛を緩和する薬だけでなく、学校に行く気持ちを後押しする安定剤を処方してもらえる場合もあるようです。
お子さんの症状が落ち着き、安心して登校できるようにサポートしてあげましょう。
登校前にお子さんが腹痛を訴えた具体的な事例
こんな悩みを持つ保護者も実際にいらっしゃいました。
コロナ明けから登校時にお子さんが腹痛を訴えたため診察を受けると過敏性大腸症候群の診断を受ける。夏休み中は良好であったが、二学期開始時から腹痛が再発し、ストレス緩和のために10日ほど学校を休ませると、症状は回復。登校を再開すると翌日から腹痛が再発。
(*出典4)未来地図|登校前の腹痛
返信者の方が書いているように、腹痛で自分を守らないといけないという無意識の力が働いている間は、無理やり学校に行かせるのではなく、本人に任せるのがよいでしょう。
お子さんが不登校になってしまうと勉強で追いつけなくなってしまうのではないかと焦るかもしれませんが、まずはお子さんの身体をいたわってあげることが大切です。
じっくりと見守ってあげましょう。
不登校期間の勉強については以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひご覧ください。
▶不登校中でも勉強は追いつける?おすすめの勉強方法や注意点をご紹介
まとめ
今回は、お子さんが腹痛を訴える理由と、その時にするべき行動について解説しました。
登校前に頻繁に腹痛を訴える際は、病気の可能性があります。また、不登校の原因になる可能性もあるため、保護者は適切な対応をとることが必要です。
お子さんが不登校になってしまうかもしれないと心配になることもあるかもしれませんが、落ち着いてお子さんの気持ちに寄り添ってあげましょう。
そうすることでお子さんの症状も少しずつ軽減されてくるでしょう。
【出典一覧】
*1 四谷内科・内視鏡クリニック|腹痛とストレス
参考箇所:お子さんが学校に行く前に腹痛を訴えるのはなぜ?
*2 厚生労働省|過敏性腸症候群
参考箇所:お子さんが学校に行く前に腹痛を訴えるのはなぜ?
*3 一般社団法人 起立性調節障害改善協会|起立性調節障害とは?
参考箇所:お子さんが学校に行く前に腹痛を訴えるのはなぜ?
*4 未来地図|登校前の腹痛
参考箇所:登校前にお子さんが腹痛を訴えた具体的な事例