- お子さんが不登校になって、兄弟に影響がないか心配…
- 兄弟が揃って学校を休みだしたことで自分を責めてしまう…
- お子さんが不登校になってから家庭内の雰囲気が変わってしまったけれど、どうすべきかわからない…
そんな悩みをもつ保護者は少なくありません。
お子さんが不登校になると、家庭内の雰囲気や保護者の生活も大きく変わりますよね。不登校になったお子さんに影響を受けて他の兄弟が不登校になるケースもあります。
今回はそんな悩みを解決するため、不登校のお子さんが兄弟に与える影響や、兄弟揃って不登校になった場合の対処法について詳しく解説します。
兄弟のいるお子さんが不登校になって不安に感じている方は、ぜひ参考にしてください。
不登校が兄弟に与える影響は?
不登校のお子さんに兄弟がいる場合、どのような影響が考えられるのでしょうか。
不登校は兄弟で連鎖しやすい
不登校のお子さんに兄弟がいる場合、兄弟揃って不登校になることも多いです。
考えられる原因については次項「不登校が兄弟に連鎖しやすいのはなぜ?」で詳しくご説明します。
兄弟の仲が悪化する可能性もある
不登校になると、兄弟との関係性にも影響が生じるかもしれません。
学校に通っているお子さんは、不登校のお子さんに対して「学校を休んでズルい」と感じたり、関わり方がわからなくなったりする可能性があります。
兄弟の関係性は一度悪化して放置すると修復が難しくなるので、「学校に行く・行かない」を発端とした言い合いやケンカをしていないか、保護者が早めに気づいて対処することが大切です。
不登校が兄弟に連鎖しやすいのはなぜ?
では、どうして不登校は兄弟に連鎖しやすいのでしょうか。
考えられる原因をいくつか解説します。
学校に行かない選択肢を知ってしまう
学校とは、性格の異なるさまざまな子どもたちが集団生活をする場なので、大なり小なりのストレスがあるのは当たり前の環境です。
それでも大多数のお子さんは、「学校は行くものだ」と思っているため、嫌なことやしんどいことがあっても我慢して学校に行く場合が多いです。
しかし、家族に不登校のお子さんがいると、「学校を休む」という選択肢を知ることになります。
その選択肢を知ることで、しんどいことがあったら「自分も休んでいいかも」と感じてしまうでしょう。
「学校を休む」という選択肢が身近になると、これまでストレスを我慢して学校に行っていたお子さんも学校を休みがちになってしまうかもしれません。
不登校の兄弟だけ気にかけられてしんどい
不登校のお子さんに保護者の心配が集中している可能性もあります。
お子さんは、保護者が思っている以上に兄弟との対応の差を敏感に感じ取ります。
- 自分は頑張って学校に行っているのに、不登校の兄弟ばかり気にかけられている…
- 保護者は自分には興味がなさそう…
そんな寂しさを感じるお子さんもいるでしょう。
頑張って学校に行っても気にかけてもらえないと、次第に学校に行くのがしんどくなるかもしれません。
不登校のお子さんが気になるのは当然ですが、他の兄弟にもきちんと目を向け、その気持ちを積極的に伝えることが大切です。
不登校の兄弟がいることによるストレス
不登校の兄弟がいることによるストレスも考えられます。
特に小学生は、学校をずっと休んでいる人がいると、
- 「〇〇の兄弟はなんで学校に来てないの?」
- 「いつになったら学校に来るの?」
と、遠慮なく聞く子も多いです。
答えにくい質問を日常的にされると、しんどくなってしまうでしょう。
それが積み重なると、学校に行きづらくなってしまう可能性もあります。
年齢が近い方が不登校は連鎖しやすい
不登校の連鎖のしやすさは、年齢差にも関係します。
どちらかというと、年齢の離れた兄弟より、年齢の近い兄弟の方が、不登校は連鎖しやすいでしょう。
ある程度年齢が離れていれば、各々が趣味や嗜好を持っており、お互いに学校や友人関係における影響を及ぼし合う可能性が低いです。
一方で、年齢の近い兄弟の場合は、趣味が同じだったり、同じ習い事をしているケースも多く、お互いの影響力が強くなります。その結果、不登校の連鎖反応が起こりやすいのです。
兄弟が揃って不登校になった場合の対処法
兄弟が揃って不登校になった場合、保護者はどうしたらいいのでしょうか。
意識するポイントをいくつかご紹介します。
一人ひとりの学校との関わり方を考える
不登校と言っても状況はさまざまです。
不登校の原因もそれぞれ異なる可能性が高いので、不登校のお子さんだからと兄弟を同じように考えずに、一人ひとりに合わせた対応をしましょう。
たとえば、学校に通えるようになりたいのか・他の居場所を見つけたいのかなど、今後についての考え方もそれぞれです。
兄弟で同じように再登校を目指すのではなく、一人ひとりと会話して、向き合い方を考えていきましょう。
兄弟で比べない
兄弟で比べるのは絶対に避けましょう。
保護者が比較しなくても、お子さん自身が兄弟との差に苦しむこともあります。
一人ひとりを気にかけて配慮する必要があります。
たとえば、兄弟のどちらかだけが学校に行けた日に、必要以上に褒めると、行けなかったお子さんが劣等感を感じるかもしれません。
再登校を焦らない
保護者が学校復帰を焦ってしまうと、お子さんのプレッシャーになります。
言葉で伝えなくても、保護者の様子からお子さんに伝わってしまうので、保護者が焦らないことが大切です。
お子さんが兄弟そろって不登校の場合は、特に焦ってしまうでしょう。
また、どちらかが学校復帰したからといって、もう一人も同じタイミングで復帰できるわけではありません。
焦る気持ちをこらえてお子さんに向き合い、お子さんのペースで学校復帰をすることが大切です。
兄弟のどちらかが不登校の場合の対処法
最後に、兄弟のどちらかが不登校の場合に意識しておくと良いことをご紹介します。
「学校を休んでズルい」と思わないように説明する
小学生のお子さんは、不登校に対して「学校を休んで好きなことをして遊んでいる」と考えて、「サボっている」「ズル休みしている」と思ってしまうことも多いです。
不登校のお子さんが追い込まれないためには、家族や兄弟が、不登校がどのような状態なのかを理解することが非常に重要です。
楽をしているのではないと理解できるように、兄弟に丁寧に説明しましょう。
例えば、不登校の原因が友人関係のトラブルである場合は、「お姉ちゃんは、友達と喧嘩して学校に行けなくなっちゃったんだよ」と兄弟にもわかりやすく状況を説明すると良いでしょう。
また、同時に「〇〇は友達と仲良くできて偉いね」と、兄弟を褒めてあげることも大切です。ただし、不登校のお子さんが聞いてしまうと、「間接的に否定された」と感じる可能性もあるので、発言のシチュエーションには注意しましょう。
兄弟で比べずに一人ひとりに向き合う
兄弟が揃って不登校のケースと同様に、兄弟で比べることは絶対に避けましょう。
保護者が比べなくても、兄弟が毎日学校に通っている様子を見て、焦ったりしんどくなる不登校のお子さんも多いでしょう。
兄弟との違いが不登校のお子さんを追い込まないように、一人ひとりに向き合うことが大切です。
また、不登校のお子さんに過剰に心配の目を向けるのではなく、学校に通っているお子さんにも平等に向き合いましょう。
「しっかり学校に行っていて偉いね」と伝えることで、学校に通っているお子さんのモチベーションにもなります。
まとめ
今回は、不登校が兄弟に与える影響について解説しました。
不登校は兄弟に連鎖しやすいと言われています。不登校のお子さんに兄弟がいる場合、お子さんへの向き合い方や家庭内での対応は難しいことも多いでしょう。
兄弟揃って不登校になった場合、兄弟のどちらかが不登校の場合、それぞれの意識すべきポイントも紹介しました。
ぜひ参考にしてください。