・どうしても学校を休みたい
・親に言っても休ませてもらえない
・休みたいと伝えると怒られる
このように悩んでいるお子さんもいるのではないでしょうか。
何らかの理由で休みたいにもかかわらず、無理して学校に行くのは辛いことでしょう。
この記事では、そんな悩みを解決するため、学校を休むと親が怒る理由や、怒られた時の対処法を詳しく解説していきます。
保護者を納得させて学校を休みたいという方は、ぜひご覧ください。
そもそも学校を休むと親が怒るのはなぜ?
まず、保護者はそもそもなぜ怒るのでしょうか。考えられる理由を2つ紹介します。
サボりたいだけだと思われている
保護者の方はお子さんから「学校を休みたい」と言われたときに「サボろうとしているな」と真っ先に考えるのかもしれません。
学校をサボることは本人のためにならないと考えて、無理にでも行かせようとしている可能性が考えられます。普段から悩み事を相談していなかったり、いつもは元気に学校に通っている生徒の保護者によく見られるパターンです。
サボりだと思われてしまうと、体調不良を訴えたり休みたい理由を説明しても信じてもらえないことが多いです。
この場合は、単なるサボりではないことを丁寧に説明して信じてもらう必要があります。ポイントは、保護者を納得させるだけの具体的な材料を用意することです。
具体的な休む理由・原因と、休んでいる間自宅で何をして過ごすかまでセットで説明するなどして「それなら仕方ないか」と思ってもらえるように工夫してみましょう。
勉強や将来について心配している
学校を休むときに、勉強や将来について心配する保護者も多いです。
・休んだ授業分を自分で取り戻せるのか
・今日休んだら明日以降も行けなくなるのではないか
・長期的に休むことになったら勉強や進路の面で苦労するのではないか
そんな不安を抱く保護者は少なくありません。
このように、勉強や今後の学校生活、進路を心配して休むことを良く思わない保護者もいるでしょう。
この場合は、普段から宿題や家庭学習をしっかり行っていることや、ノートを見せてくれる友人の存在などを説明すると納得してくれる場合があります。
また、学校を休んだからといって勉強や将来に遅れをとるとは限りません。
実際に、文部科学省によると、不登校の中学生の85%が高校に進学しています。
(*出典1) 「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)
日々の勉強や部活・人間関係など、疲弊するのは大人だけではありません。
お子さんだって休養も時に重要ですし、学校以外にも学びの場はたくさんあります。
学校に行くことにとらわれずに、必要であれば休むことも大切です。
学校を休むのは悪いことではない
・嘘をついて学校を休んでしまった
・他の人は学校で勉強しているのに自分だけ何もしていない
・本当は学校に行けたのではないか
学校を休んだ時に、こんな罪悪感を抱いてしまう人も多いです。
しかし、学校を休むことは悪いことではありません。
罪悪感を感じてしまうときは、家で自分でできる勉強をしてみたり、必要な休みだと割り切って思う存分ゆっくりしましょう。
文部科学省の調査によると、中学生の約4%、つまり25人に一人が不登校になるそうです。単純計算ですが、一クラスに1人か2人いることになります。
学びの場が広がっている今、不登校は悪いことではありません。お子さんがより自分にあった学びの形を探しているなど、捉え方も広がってきています。
(*出典2) 令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
休みたい時に親が怒った場合の対処法
では、休みたいと伝えたときに保護者が怒ったらどうしたらいいのでしょうか。考えられる対処法をいくつか紹介します。
まずは相談する
理由を何も話さずに、ただ休みたいとだけ伝えている場合は、まずはしっかり相談することが大切です。
休みたい理由が明確な場合は、その理由を一度説明してみましょう。
理由が分からない場合でも、「自分でも理由は分からないけど、学校に行くのがしんどいから休ませてほしい」と相談することで何か変わるかもしれません。
まずは保護者の方に自分の思いを伝えて相談するところから始めましょう。
早退する
それでも許してもらえなかった場合は、他の方法を試してみましょう。
例えば、とりあえず登校して早退するという手段があります。
最初から休もうとして許してもらえなかったとしても、一度登校してどうしても無理だった場合は納得してもらえる可能性があります。
また、お子さん自身も、早退の選択肢を持つことで少しは気が楽になるかもしれません。
具体的な早退の方法については、まず保健室の先生や担任の先生に相談して進めていきましょう。
保健室に登校する
「学校の教室がしんどいけど、保健室ならましかも」と思う場合は、保健室登校も視野に入れてみましょう。
他の人と会わずに登校できるし、保健室の先生と話をすることで楽になることもあるかもしれません。
実践している人が多い手段でもあるので、先生方も理解してくれると思われます。
行ったふりして休む
早退や保健室登校に抵抗がある場合は、最終手段として、学校に行ったふりをして休むのも一つです。
朝登校する様子を見せると保護者の方も納得せざるを得ません。
相談してもどうしても休ませてもらえなかった場合は、とりあえず朝の準備をして家を出るといいかもしれません。
ただ、学校を休むと家に連絡がいく可能性もあります。
ただし、日中の過ごし方には気をつけましょう。日中に学生服でショッピングモールや書店などで過ごしていると、警察官に補導される可能性もあります。
精神的にストレスで学校に行きたくない場合はどうしたらいい?
精神的な理由で、長期的に学校に行くのが辛い場合は、何らかの対処をすることをお勧めします。いくつか対処法をご紹介します。
保護者に相談する
保護者の方に相談できる場合は、まずは保護者の方に相談してみましょう。
自分の中で悩み事が上手くまとまっていなくても大丈夫です。
なんとなくしんどい気持ちを打ち明けると、親身に寄り添って、一緒に考えてくれるかもしれません。
スクールカウンセラーに相談する
保護者の方よりも、知らない人の方が相談しやすい場合はスクールカウンセラーに相談するのも良いでしょう。
相談の専門家なので、場合によっては保護者の方よりも理解してくれることもあります。
自分の学校のスクールカウンセラーの来校日や申し込み方法などを一度調べてみましょう。
周りの人に言いづらいと感じるときは、スクールカウンセラーを選択肢に入れることをお勧めします。
心身に不調をきたしている場合は病院を受診するのも一つ
保護者の方やスクールカウンセラーなどに相談した後、必要であれば病院を受診するのも一つです。
自分のしんどい気持ちの原因がわかったり、解決への道が見えてくるかもしれません。
心や体の不調がしばらく続いている場合は病院を受診することも考えてみましょう。
学校を休みたいお子さんへの保護者のNG行動
最後に、学校を休みたいお子さんへの保護者のNG行動を説明します。
お子さんに学校を休みたいと伝えられたとき、戸惑う保護者の方も多いですが、やってはいけない行動があります。
無理矢理学校に行かせる
何らかの理由で学校に行きたくないと感じているときに無理矢理学校に行かせられると、状況が悪化しかねません。
時には休むことも必要であることを理解し、状況に応じて休ませることも重要です。
まずは学校に行きたくないお子さんの気持ちに向き合ってみてください。
行きたくない気持ちを否定して怒る
お子さんの気持ちに耳を傾けずに怒ってしまうと、お子さんは、辛い気持ちに寄り添ってもらえない・理解してもらえないと感じてしまいます。
悩み事を相談しにくくなり、自分の中で溜め込んでさらにしんどくなるでしょう。
なぜ休みたいのか・何がしんどいのかに耳を傾け、理解しようとする姿勢を見せることが大切です。
まとめ
今回は、学校を休むときに保護者が怒る理由と対処法について解説しました。
サボりだと思ったり、勉強や将来を心配したりして、お子さんを休ませたくない保護者は多いです。
しかし、学校を休むことは悪いことではなく、特には必要な手段です。
相談しても休ませてもらえない場合は、早退や保健室登校、行ったふりをして休むなどの手段をとっても良いでしょう。
精神的に学校に行きたくない場合は、保護者やスクールカウンセラー、医療機関などに相談することも必要です。
また、保護者の方が、学校を休みたいお子さんを無理矢理学校に行かせたり怒ったりするのは好ましくありません。
お子さんの気持ちに耳を傾けて、一緒に対処法を考えましょう。
出典一覧
*1 「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)
掲載箇所:そもそも学校を休むと親が怒るのはなぜ?
*2 令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
掲載箇所:学校を休むのは悪いことではない