GW明けは不登校になりやすい?理由から対処法、子どもへの接し方まで徹底解説!
- GW後半から子どもに元気がない
- GW明けから学校に行きたがらなくなった
- 学校に通うことを憂鬱そうにしている
GW中や長い連休明けが近付いてきたタイミングでこのような兆候が見られたら、お子さんのSOSのサインかもしれません。実は、長期休暇明けはお子さんの不登校が増えるタイミングでもあります。
本記事では、GW明けに不登校になってしまう理由と、お子さんに見られる不登校の兆候などについて解説していきます。
長期休暇明けは不登校が増える
GWなど長期休暇の後は、不登校が多くなります。
4月までは元気でも、GW明けから急に不登校になるということは少なくありません。18歳以下の日別自殺者のデータを見ると、悲しいことにGWの自殺者数は「夏休み明け」「新学期」に続いて3番目に多い時期となっています。
そもそも「新学期」「新学年」など、新しい環境に移行することは誰にでも多少のストレスがかかり、そのタイミングで不安定になるお子さんは珍しくありません。
また、お子さんの心身に負担がかかる原因が学校にある場合、長期休暇中は自宅でリラックスできているからこそ、登校しなければならない日が近付くにつれてお子さんは憂鬱になり、「学校に行きたくない」という気持ちが強くなるでしょう。
(*出典1)文部科学省|18歳以下の日別自殺者数
GW明けに不登校になる理由
GW明けは、夏休み明けと並んで不登校が多くなる時期です。なぜGW明けは不登校が多くなるのでしょうか。
その理由を解説していきます。
新しい環境に適応できない
GW前後は、新年度のため、小学校・中学校への進学やクラス替えなどお子さんの周りの環境が大きく変わる時期です。
環境の変化が大きなストレスとなり、不登校になるケースは少なくありません。
とくに環境の変化が苦手なお子さんにとって、新年度は大きなストレスを感じるでしょう。
仲の良かった友達とクラス替えで離れ離れになってしまったり、知り合いのいない学校へ進学した場合は、大きな環境の変化に慣れるためにエネルギーを使うため、疲れやすくなってしまいます。こうした疲れも不登校につながる原因となります。
4月に頑張りすぎた
新年度だからと4月に張り切りすぎてしまい、GW明けごろに燃え尽きて不登校になってしまうということがあります。
部活動や委員会活動、勉強、友人関係とさまざまなことを頑張ったのは良いものの、キャパオーバーとなってしまい、GWをきっかけに燃え尽きてしまうというケースが多いです。
お子さん自身の意思でさまざまなことに挑戦した結果、燃え尽きてしまうことも少なくありません。
心機一転して頑張ろうとするお子さんがなることが多いため、中学校入学のころによく見られます。
友人ができない
友人関係が理由となって不登校になってしまうこともあります。GWは、4月に新年度を迎え、クラス替えなどで今までいた友達と離れたりするタイミング。その際に生まれるのが「友達がGWまでにできない」という悩みです。
GWになっても友達ができていないという事実に不安や焦りを覚えてしまい、周囲に仲の良いグループができはじめると、お子さんは孤立したような感覚を覚えて学校に行きたくないという気持ちになることがあります。
前年度までは仲の良い友達がいたのに、クラス替えや中学校進学で離れ離れになってしまう場合もあります。友達の作り方を忘れてしまっていることも少なくありません。
勉強についていけない
学校の勉強や課題についていけないことが原因で不登校になることもあります。
中学校進学や学年が1つ上がると、勉強する内容がより難しくなったり、宿題の量が増えたりします。
今までは問題なくこなせていたはずの勉強についていけなくなると、大きな焦りや不安を感じて不登校につながることがあります。
学業不振を原因とした不登校は「学校生活上の影響型」に分類されます。このタイプについて、以下の記事で解説していますので合わせてご覧ください。
▶学校生活上の影響型の不登校の特徴とは?原因ごとの対処法も解説
GW明けに不登校になる理由は1つではない
さまざまな不登校の理由について解説しましたが、不登校になってしまう理由は1つに特定できません。
例えば、「友達もできないし、勉強にもついていけないから学校に行きたくない」というように、原因が2つ以上あることもあります。
また、「友達作りや勉強に張り切ったけど、頑張りすぎたし上手くいかないから嫌気がさした」など、複数の理由が絡み合っている場合もあります。
共通するのは、不安や焦り、ストレスにより「心のエネルギーが切れてしまう」ことです。
解決のためには、それぞれのお子さんが置かれている状況に対して、真剣に向き合う必要があります。
GW明けに不登校になる4つの兆候
GW明けに不登校になるお子さんには共通して見られる兆候があります。
①4月に張り切っていた
②頻繁に体調不良になる
③睡眠のサイクルが乱れる
④無気力なことが多い
当てはまる場合はお子さんの様子に注意を払っておきましょう。
①4月に張り切っていた
4月からいきなり張り切りすぎている場合は注意が必要です。
去年までと比べて突然張り切りだしているような場合や、誰が見ても張り切りすぎているような場合は特に注意が必要です。
こういうケースでは、1日だけ休もうと思ったのに、それが2日、3日と続いていき、不登校になってしまうことが多く見られます。
特に忙しいことに慣れていないお子さんだと、負荷が大きすぎて燃え尽きてしまうことがあります。
負荷を乗り越えて大きく成長するお子さんもいますが、1ステップずつ上がっていった方が結果的に大きく成長できるお子さんもいます。
後者のお子さんの場合、燃え尽き症候群になりやすいです。
1ステップずつ進んでいって大丈夫だとアドバイスしても良いかもしれません。
②頻繁に体調不良になる
不登校になる前兆として、頻繁に体調不良になるということが挙げられます。
体調不良を1か月に複数回も訴える場合は、心理的・精神的な要素が原因の可能性が高いです。
特に「明日から学校」という日に限って、体調不良になる場合は注意が必要です。
学校が大きな精神的負担になっていると疑いましょう。
心療内科やカウンセラーなど専門家に相談してみると良いでしょう。
③睡眠のサイクルが乱れる
起床時間や就寝時間が急激に大きくずれるのも、不登校になる前兆の一つです。
「学校があるのに起きられない」、「学校があるのに寝られない」といった睡眠の乱れは精神的な要素が原因という場合がほとんどです。
この場合も、「明日は学校」という日に限って起きている場合に特に注意しましょう。
「どうしても起きられない・寝られない」といった症状は、心理的不調が原因の「起立性調整障害」に当たる場合があります。
放置すると症状が悪化する場合があるので、不登校専門の専門家に相談してみましょう。
④無気力なことが多い
お子さんを見ていて、無気力な様子が多いときも不登校の前兆です。
無気力な様子の具体的な例としては、朝起きて何の準備もせずにボーっとする時間が長かったり、学校から帰ってきても宿題や次の日の準備を何もしないなどが挙げられます。他には、学校に対するネガティブな発言が増えるといった言動も注意が必要です。
こうした無気力な状態が多いのは、学校でのストレスが多すぎて、家で燃料切れをおこしている可能性があります。お子さんが無気力と感じたら、まずは話を聞いてみるのが良いでしょう。
無気力型の不登校については、以下の記事で解説しています。
GW明けに不登校になったお子さんへの接し方
以下では、お子さんが不登校になってしまった場合、保護者はどう接するべきなのかについて解説します。
無理をさせない
大前提として、お子さんに無理をさせないようにしましょう。
お子さんが不登校になってしまうと、ついつい無理やりにでも学校に復帰させたくなりますが、逆効果になってしまいます。
かえってお子さんは精神的に消耗してしまい、学校に行きたくない気持ちが強くなるでしょう。
お子さんに強制しない、無理をさせないという心構えを持つようにしましょう。
学校に行かない理由を無理に聞かない
お子さんがなぜ学校に行かなくなったのかという理由を確認するのは重要です。
しかし、お子さんを質問攻めにして無理に理由を聞き出そうとすると、逆効果となってしまいます。
理由を話したくなかったり、お子さん自身も何が学校に行きたくない理由なのか明確に言葉にできないことがあります。
理由を問い詰めると、お子さんは不登校であることに罪悪感を覚え、ますます心理的に消耗して学校に行けなくなってしまいます。
そのため、問い詰めるのではなく、お子さんの話を聞く中で理由を上手く聞き出すようにしましょう。
悩みに寄り添う
保護者がお子さんの悩みに寄り添うことも重要です。
不登校になった背景には、お子さんに何らかの悩みがあるはずです。
お子さんの悩みを聞き、解決策を一緒に考えてあげましょう。
そうすることで、お子さんも自分の本当の気持ちに気付き、学校に行けない本当の理由がわかります。
また、学校への復帰などを考えると、親子の信頼関係は重要になります。
悩みに寄り添うことで、親子の信頼関係を強化しましょう。
学校に行かない意思を尊重する
お子さんが学校に行かない本当の原因がわかったら、お子さんが学校に行く意思があるのか確認しましょう。
もしお子さんが「もう学校に行きたくない」「自分には学校は合わない」と感じている場合は、その意思を尊重してあげましょう。
保護者としては「学校に復帰させたい」という思いが強いでしょうが、まずはお子さんの意思を尊重しましょう。
学校以外の選択肢を探るうちに、本人が学校に復帰したいと思うかもしれません。
一番重要なのは、お子さんのためになることです。
お子さんの状況に合わせて、ベストな選択肢を探しましょう。
GW明けに不登校になった場合の対処法
ここからはGW明けにお子さんが不登校になってしまったときの対処法について解説します。
学校と連携する
まずは担任の先生など、学校に相談してみましょう。
新しい担任の先生だけではなく、前のクラスの担任の先生や学年主任の先生など、お子さんと接していた先生からもお話を聞いてみましょう。
先生から話を聞くとお子さんが不登校になった原因がわかるかもしれません。
また、学校が行っている不登校に対する支援についての情報も得ることができるので、お子さんの学校復帰に向けても先生との連絡を積極的に取るようにしましょう。
専門家のサポートを受ける
不登校の専門家のサポートを受けることも非常に重要です。
学校のスクールカウンセラーや教育委員会が設置した教育相談センターなどに相談してみましょう。お子さんの状況に合わせて、家庭でできることや学校から受けられる支援についての情報を得ることができます。
また、民間で不登校支援を行っているNPOなどの専門家に頼ってみるのも良いでしょう。
有料になりますが、不登校の専門家から適切なアドバイスを受けられる可能性があります。
自宅で勉強する環境を作る
お子さんが学校に行かない状況が長期的に続きそうな場合、自宅で勉強できる環境を整えてあげましょう。
学校に行けない状態でも、勉強さえできていれば、中学や高校に進学するタイミングで学校に復帰しやすくなります。
また、勉強をしないと、学校の勉強に追いつけなくなり、学校への復帰がより難しくなってしまいます。
参考書を買ったり、ネットの教材を見つけて、お子さんに勉強に取り組んでもらいましょう。
最近は、Youtubeの授業動画や、通信教材などが充実しているので、家庭内での学習環境を整えやすくなっています。
新しい居場所を見つけてあげる
お子さんが学校に行きたくないという固い意志がある場合、学校以外の居場所を見つけてあげましょう。
学校に行けなくても、何らかの安心できる居場所があることはお子さんにとって非常に重要です。
最近は、不登校専門の塾や家庭教師などが増えています。
地域の教育支援センターなどを活用してみても良いでしょう。
中でもおすすめなのが、フリースクールです。フリースクールは、学校に行きづらいと感じているお子さんのために居場所を提供する場所です。
同じような境遇のお子さんが多いため、学習面だけでなく、お子さんが社会性を身につける場所としても最適です。
まとめ
今回はGW明けに不登校が多い理由や、お子さんが不登校になる前兆、不登校になってしまったときの接し方や対処法について解説しました。
GW明けに不登校になるお子さんが多いのは、以下の理由が考えられます。
- 新しい環境に適応できない
- 4月に張り切り過ぎた
- 新年度に友人ができなかった
- 勉強についていけない
不登校になる前兆としては、無気力や睡眠サイクルの乱れ、体調不良などがあります。特に身体に出てくる前兆には注意しましょう。
また、お子さんに接するときは、常にお子さんの気持ちを優先して考えましょう。
不登校の対処法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 学校の先生と連携する
- 専門家のサポートを受ける
- 自宅学習の環境を整える
- 新たな居場所を見つける
お子さんが不登校になったり、お子さんに不登校の前兆があるようでしたら、ぜひこの記事を参考にして、お子さんにとってベストな方法を見つけてあげてください。