学校が嫌!ストレスでお子さんが泣く?原因や対処法を解説!

監修:村上実優

監修:村上実優

累計7万人以上の指導実績を持つ成基の個別指導塾「ゴールフリー」で教室長を務めた後、シンガクの教室長に就任。子どもの本来持つやる気や意欲を引き出す“教育コーチング”のスキルを活かし、学校以外の多様な学びの機会提供と、子どもが安心して過ごせる居場所づくりを目指してシンガクを運営している。

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目次

お子さんが「学校に行きたくない」と登校を拒否したり、ストレスから泣いてしまったりすると、保護者としては心配でたまらないですよね。

お子さんの様子に困惑し、どう対応すべきかわからず戸惑ってしまうことも多いでしょう。

本記事では、

「子どもが学校生活で抱えるストレスの原因は何?」

「子どもの学校でのストレスを緩和させる方法は?」

「学校でストレスを感じている子どもが出すサインはある?」

「子どもが学校に行きたくないと泣いてしまうときの対処法は?」

といった保護者の疑問を解説していきます。

お子さんの気持ちに寄り添いながら、解決のために保護者ができることを考える参考にしてみてください。

お子さんが学校生活で抱えることが多いストレスは?

学校生活において、お子さんが抱えるストレスにはさまざまな種類があります。ここでは、お子さんがストレスを抱えることの多い8つの原因について説明します。

1. 学業に関するストレス

テストや宿題、進学などの学業に対するプレッシャーが、お子さんにとって大きなストレスとなることがあります。

成績を上げるための努力が思うように報われない場合や、周囲と比較されることで、学業が重荷になることがあります。

学校の授業についていけない、理解が遅れる、集中力が続かないなどの学習困難も、ストレスの原因となります。特に、発達障がいや学習障がいを抱えるお子さんは、自身の努力が結果に結びつかないことが多いため、学業面でのストレスが大きくなりやすいでしょう。

2. 友人関係に関するストレス

学校でいじめられたり、仲間外れにされることは、生活環境を簡単には変えられないお子さんにとって深刻なストレスです。言葉や身体的な暴力、無視されるなどの経験は、お子さんの自己肯定感を大きく損ないます。

また、親しい友人とのトラブルや誤解、友情の喪失もストレスの原因となります。

思春期のお子さんにとって、友人関係は非常に重要なため、これが崩れると強い孤独感や不安を感じることがあります。

3. 先生との関係に関するストレス

担任の先生との関係が悪い場合、特に先生の厳しい指導や頻繁な叱責は、お子さんにとって強いストレスとなります。

お子さんが先生と合わず、理不尽だと感じる対応をされた場合、学校に行くこと自体が苦痛になることもあります。

また、成績優秀でリーダー的な役割を期待されているお子さんの場合は、先生からの高い期待に応えられないと感じることも、お子さんにプレッシャーを与え、ストレスを感じやすくなります。

4. 保護者からのプレッシャー

保護者からの学業や進路に対する期待が高すぎると、お子さんに大きなストレスを与えます。

保護者の望む成果を達成したい、しなければならないというプレッシャーは、お子さんに自己否定的な感情を抱かせることがあります。

家庭内のトラブル(親の離婚、経済的な問題、兄弟姉妹との不和など)も、学校生活に影響を及ぼし、お子さんにストレスを与えます。家庭の不安定さは、お子さんの心の安定に大きく影響します。

5. 進路に関するストレス

中学受験する小学生や高校受験を控えた中学生にとって、受験は大きなストレスになります。

将来の職業や進学先を決めることに対する不安や迷いが、お子さんの心を圧迫します。

特に、近年は中学受験の人気が高まっていることから、幼い頃からの進学競争が激化しており、お子さんが自分の能力や選択に不安を抱えていることが少なくありません。周囲との比較やランキングなども、自己評価を低くし、ストレスを増幅させる原因になっています。

6. 時間管理と多忙さ

学校の授業以外に、部活動や習い事、塾などのスケジュールが詰まっていると、お子さんは休む間もなく、常に忙しい状態に陥ります。この過密なスケジュールが、心身の疲労とストレスを引き起こすことがあります。

特に、時間管理がうまくいかず、宿題や課題、テスト勉強が重なると、ストレスが増します。締め切りに追われることや、時間が足りないと感じることが、お子さんの焦りや不安を大きくします。

7. 環境の変化

転校や引っ越しは新しい学校や新しい友人関係に適応する必要があるため、お子さんにとって大きなストレスとなる可能性があります。

慣れ親しんだ環境を離れることや、新しい環境に馴染むことへの不安が影響します。

新しい学年に進級する際にも、クラス替えや新しい先生との出会いが、お子さんにストレスを与えることがあります。特に、人見知りや環境の変化に敏感なお子さんは、このストレスを強く感じることがあります。

8. 身体的・精神的な健康問題

慢性的な病気や成長期特有の身体的変化が、お子さんのストレスとなることがあります。特に、思春期の身体の変化に対する不安は、お子さんの心身に大きな影響を与えます。

また、うつ病や不安障がい、発達障がいなどの精神的な健康問題も、学校生活において強いストレス要因となります。これらの問題は、学校生活への適応を難しくすることがあります。

お子さんの学校でのストレスをためさせない方法は?

お子さんが学校生活でストレスをためないようにするには、保護者が日常生活の中でいくつかのポイントに注意してサポートし、環境を整えることが重要です。ここでは、お子さんがストレスをためにくい具体的な方法をご紹介します。

オープンなコミュニケーションを保つ

お子さんと毎日会話をし、学校での出来事や今の気持ちを聞く習慣を持ちましょう。

お子さんが話しやすい環境を作り、困ったことや悩みがあれば、すぐに話せるような関係性を築いておくことが大切です。

また、お子さんの感情に共感し、安心感を与えることで、ストレスを軽減することができます。「今日はどんなことが楽しかった?」「何か困っていることはない?」など、ポジティブな質問と共に、ストレスのサインを見逃さないようにしましょう。

適度な休息とリフレッシュの時間を確保する

お子さんが疲れたと感じたときに十分な休息を取れるようにしましょう。勉強や部活動に集中する時間が多い場合でも、休む時間を大切にし、無理をさせないようにすることが大切です。

お子さんの日々の生活で、勉強だけでなく、遊びやリラックスする時間をバランスよく取り入れることが重要です。勉強だけを強いるのではなく、適度な遊びやリフレッシュが心身の健康に役立ちます。

部活動や習い事など、スケジュールが過密になりがちなお子さんも注意が必要です。過度の多忙は、ストレスの蓄積につながるため、お子さんの心身の負担を減らす工夫が必要です。

体を動かすことや友達と過ごす時間は、お子さんが日々の生活で感じているストレスを発散させる効果があります。

ポジティブな自己評価を育てる

小さな成功や努力を保護者がしっかりと認め、褒めることで、お子さんが自信を持てるようになります。成功体験はお子さんの自己肯定感を高め、ストレスを軽減することに役立ちます。

また、失敗や間違いを恐れず、日ごろから挑戦することを推奨することも大切です。失敗してもそれを責めるのではなく、次のステップに向けてどうすれば良いかを一緒に考えることで、何事に対してもポジティブな姿勢が習慣づくでしょう。

お子さんのストレスを緩和させる方法は?

ここでは、お子さんが学校生活で感じるストレスを緩和させる4つの方法をご紹介します。

1. お子さんの話を聞く

何かに悩んでいたり、気持ちが鬱々としているときに、誰かに話を聞いてもらうだけで少し気持ちが軽くなった経験はないでしょうか?

お子さんも同じです。悩んでいること、つらいと感じていることを誰かに聞いてもらうだけで、少しストレスが軽減されるでしょう。

ただ、保護者に話しても否定されるだけ、自分の気持ちなんてわかってくれないと思っている場合は、お子さんは保護者と話すことを拒否するかもしれません。

そうならないためにも、普段からお子さんを否定せず、ありのままを受け入れてあげる姿勢が重要です。

お子さんと話せた結果、お子さんが何にストレスを感じているかわかれば、問題解決に向けても行動できる可能性があります。

まずは、お子さんとコミュニケーションをとれる関係を構築することが、ストレス緩和のための一歩になります。

2. ストレス解消の方法を教える

お子さんが楽しめる趣味や特技を持つことが、ストレスの解消に効果的であることを伝えてみましょう。

学校から帰った後、家で好きなことに没頭する時間を作ることで、学校で感じたストレスを解消することができます。

3. 家では安心感を提供する

家はお子さんが安心してリラックスできる場所であるべきです。日々のコミュニケーションや温かい雰囲気を大切にし、お子さんが心の安定を保てるようにしましょう。

また、休日は家族と一緒に過ごす時間を増やし、楽しいイベントを計画することもおすすめです。家族と楽しい時間を過ごすことが、学校でのストレスを軽減させる可能性があります。

4. 専門家のサポートを利用する

お子さんの状況によっては、学校のカウンセラーや外部の心理カウンセラーに相談し、専門的なサポートを受けることも有効です。

心理的なサポートを通じて、お子さんが抱えるストレスを解消する手助けができます。

学校でストレスを感じやすいお子さんの特徴は?

学校でストレスを感じやすいお子さんには、いくつかの特徴が見られることがあります。

これらの特徴を把握することで、早期にサポートを提供し、ストレスを軽減する手助けができるかもしれません。

ここでは、学校でストレスを感じやすいお子さんによく見られる特徴を紹介します。

内向的で自己主張が少ない

自分の意見や感情を表現するのが苦手なお子さんは、ストレスを感じやすいです。

特に、クラスの中で意見を求められる場面や、グループ活動での協力が必要な場面で、プレッシャーを感じることがあります。

また、コミュニケーションが苦手で友達関係を築くのに時間がかかる場合なども、孤立感を抱きやすく、それがストレスの原因になることがあります。

完璧主義傾向がある

何事も完璧にこなしたいと考えるお子さんは、自分に対するプレッシャーが強く、学業などで失敗することを過度に恐れることがあります。

このような完璧主義は、自己評価を厳しくし、ストレスを感じやすくする原因となります。

過度に敏感で感受性が強い

感受性が強く、周囲の出来事や他人の感情に敏感に反応するお子さん、いわゆるHSC(Highly Sensitive Child)の傾向があるお子さんは、ストレスを感じやすいです。

たとえば、教室の騒がしさや他のクラスメイトの不和を感じ取って、自分も不安を感じることがあります。

こういったお子さんは、環境の変化や新しい状況に適応することが苦手な場合も多く、ストレスが蓄積しやすくなります。特に、転校やクラス替えなど、新しい環境への適応に時間がかかるお子さんは注意が必要です。

お子さんが学校でストレスを感じているサインはある?

お子さんが学校でストレスを感じている場合、保護者が早期に気づくことはとても重要です。

ここでは、お子さんがストレスを感じている際によく見られるサインや、保護者がそれに気づくためのコツを紹介します。

1. 身体的な不調を訴える

個人差が大きいですが、ストレスで身体に異変が見られることがあります。

頭痛や腹痛、疲れやだるさを頻繁に訴えるお子さんが多いです。特に、学校に行く前や特定の場面でこれらの症状が現れる場合は、ストレスが原因かもしれません。

また、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めることが増えたり、朝起きるのが難しくなったりすることがあります。悪夢を見ることが増える場合もあります。

そのほか、急に食欲が減ったり、逆に過剰に食べるようになったりする場合も、ストレスが影響している可能性があります。

2. 学校に行きたがらない

急に学校に行くのを嫌がったり、遅刻や欠席が増えることは、ストレスのサインであることが多いです。特に、理由を明確に説明しない場合、何らかの不安を抱えている可能性があります。

3. 感情的なサイン

お子さんが頻繁に不安や心配を表現する場合、ストレスを感じている可能性があります。特に未来や学校についての漠然とした不安を訴える場合は注意が必要です。

また、自己評価が低くなり、自分に対する自信を失っている様子が見られる場合も、ストレスが関係していることがあります。「自分はダメだ」といった否定的な言葉が増えることもあります。

お子さんのストレスに気づくためのコツ

お子さんとの日常的な会話を大切にし、学校での出来事について話せる環境を整えましょう。

お子さんが話しやすい雰囲気を心がけ、ストレスのサインを見逃さないようにします。

普段の行動や感情の変化に敏感になり、何かいつもと違うと感じたら、その理由を探るようにします。小さな変化でも、無視せずに注意を払うことが重要です。

担任の先生やスクールカウンセラーなど、お子さんの日常生活に関わる他の大人と連携し、学校での様子を定期的に確認することも有効です。家では見えないストレスの要因があるかもしれません。

お子さんがストレスで学校に行きたくないと泣いたときの対処法は?

お子さんが学校に行きたくないと泣く場合、何らかのストレスや不安が我慢できないほど大きくなってしまった可能性が高いです。

保護者ができる対処法について解説します。

1. 冷静に話を聞き、お子さんの気持ちを受け入れる

お子さんが泣いていると、保護者もつられて感情的になりがちですが、冷静に対応することが重要です。お子さんが安心して話せる環境を作りましょう。

お子さんがなぜ学校に行きたくないのか、その理由をできるだけ詳しく聞き出すことが大切です。ただし、無理に聞き出そうとすると逆効果になることもあるため、お子さんのペースに合わせて話を進めましょう。

話を聞くときは、お子さんの「学校に行きたくない」という気持ちに共感し、「嫌なことがあるんだね」「つらいんだね」と、お子さんの感情を認め、受け入れていることを伝えるとよいでしょう。

お子さんが不安を感じている場合、保護者の優しい言葉や態度がお子さんの心を落ち着かせます。「大丈夫、一緒に考えよう」というように、お子さんをサポートする姿勢を示すことが大切です。

2. 具体的な対策を考える

お子さんが学校に行きたくない理由がわかったら、その原因に応じて具体的な対策を考えましょう。

たとえば、いじめが原因であれば、担任の先生やスクールカウンセラーと連携して対策を講じます。

担任の先生に状況を伝え、お子さんが安心して登校できるような環境を整えてもらうよう学校側に協力を求めましょう。

3. 学校を休むことも選択肢に入れる

お子さんが強い不安や恐怖を感じている場合、無理に学校に行かせるのは逆効果です。必要に応じて、学校を休むことも一つの選択肢として考えましょう。

学校を休んだ日は、お子さんの心をリフレッシュさせる時間に使いましょう。好きなことをしたり、リラックスできる活動をしたりして、ストレスを和らげるよう努めます。

学校のストレスでお子さんが不登校になったときの対処法は?

お子さんのストレスが強く、学校に行けなくなってしまった場合、保護者はお子さんのためにどのようなことができるでしょうか?

専門家の助けを借りる

お子さんの不安やストレスが強い場合、スクールカウンセラーや心理カウンセラーのサポートを受けることを検討しましょう。

専門家のアドバイスを受けながら、お子さんの心のケアを行います。

家族だけでお子さんのストレスに対処するのが難しいと感じた場合は、教育相談機関や子育て支援団体など、外部の支援を活用することも有効です。

学校生活の再構築を支援する

お子さんの心身の状態が回復してきたタイミングを見計らって、学校に少しずつ慣れていけるような方法を考えます。

短時間からの登校や、学校の行事だけ参加するなど、段階的に学校生活に戻れるように保護者が適切なサポートをしましょう。

お子さんが少しでも成功体験を積めるように、学校での小さな目標を設定し、それを達成できたときにしっかりと褒めてあげることが効果的です。

さいごに

学校生活において、お子さんが抱えるストレスは学業、友人関係、先生との関係、保護者からのプレッシャー、進路選択、環境の変化、健康問題など多岐にわたります。

これらのストレスが重なることで、不登校や精神的な不調を引き起こす可能性があるため、お子さんのサポートにあたってはこれらの要因を理解し、適切な対応を心がけることが大切です。

不登校のお子さんのこと、1人で悩まないで

無理をして今の学校に通わなくても、将来の選択肢はいくらでもあります。

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