不登校のお子さんとその保護者にとって、修学旅行は悩みの1つではないでしょうか。
修学旅行は学校生活の中でも最も大きな行事です。「せっかくなら思い出作りのために参加してほしい」と考える保護者は多いと思います。
しかし、お子さんの意思はもちろん、宿泊行事ならではの懸念点もあり、参加不参加の判断はとても難しいでしょう。
修学旅行で大事なことは、参加してもしなくても、それをポジティブな思い出にすることです。この記事では、不登校のお子さんの修学旅行への参加不参加の決め方、参加する場合・しない場合においてするべきことを解説していきます。
お子さんの修学旅行にお悩みの方はぜひご覧ください。
不登校のお子さんは修学旅行に行くべきか
不登校のお子さん自身にとっても、保護者にとっても、修学旅行に参加するかどうかは難しい選択だと思います。今回は、決断するにあたって重視すべきことを解説します。
お子さんに意思がある場合、それを尊重する
お子さん自身に参加不参加の意思がある場合、保護者はお子さんの気持ちを尊重してあげましょう。
なぜなら、修学旅行に参加するかしないかはそれほど重要ではないからです。大事なのは、お子さんにとって、修学旅行に参加したこと・しなかったことがポジティブな思い出になることです。
無理をして修学旅行に参加し、「楽しくなかった」「失敗した」というマイナスの思い出になると、それはお子さんにとって良い行事だったとは言えません。せっかくチャレンジしたのに、「行くべきじゃなかった」と、また学校から遠ざかるきっかけとなる可能性もあります。
逆に、修学旅行に参加しなくても、「参加するより楽しい思い出が作れた!」と思えたなら、お子さんは自分の選択に自信を持つことができるでしょう。
お子さんに意思がある場合はそれを尊重して、お子さんの選択が良いものになるように、全力でサポートしてあげてください。
お子さん自身も迷っている場合
お子さん自身も参加か不参加かを迷って決められない場合も多くあります。その場合は、お子さんとしっかり話し合って決めてください。
話し合いでの注意点として、お子さんは、保護者や先生の「行ってほしい」という気持ちを汲み取ってプレッシャーを感じている場合があります。どんな選択でも、お子さん自身の気持ちを尊重するということをきちんと伝えてあげましょう。
話し合いでなかなか結論が出ない場合は、修学旅行に参加する方向で話を進めることがおすすめです。
なぜなら、参加したい気持ちがある場合、行かないことは後悔につながる可能性が高いからです。また、保護者や学校側のサポートがあれば、行きたくない理由が解消できる場合もあります。
そのため、お子さんがなぜ参加したくないのかをきちんと聞くことが重要です。
例えば、「しばらく学校に行っていないから友達が少ない」という場合、先生に頼んで、友達と同じ班にしてもらうことができるかもしれません。もし宿泊に不安があるという場合は、日帰りで参加させてくれる学校もあります。完全な参加は難しくても、可能な範囲で行きたい気持ちを優先することがおすすめです。
修学旅行に参加する不安を減らすには?
修学旅行に参加すると決めた場合も、「本当に参加できるのだろうか」「楽しい思い出を作れるのだろうか」と不安に思うお子さんは多いでしょう。ここでは、修学旅行に参加するにあたって、お子さんの不安をできるだけ解消した状態で参加する方法を3つ紹介します。
①学校側と修学旅行中のサポートについて相談する
学校側との打ち合わせは、一番大切な事前準備といっても過言ではありません。
修学旅行は、必ずしも全日程・全活動を行わなくても大丈夫です。お子さんの無理のない範囲で参加できるように学校の先生と話し合ってみましょう。
実際に行われたサポートとしては、以下の例があります。
- 日帰りで参加する
- 一部の活動のみ参加して、参加しないものは保健室の先生と待機
- 夜は先生の部屋で寝る
- 辛くなった場合、家族に迎えに来てもらう
どのくらいサポートを行ってくれるかは、学校によって異なるので、学校側のスタンスをしっかり確認するようにしましょう。
学校との相談のときも、お子さんの意思を尊重することは忘れないでくださいね。
②修学旅行の事前活動に参加する
不登校のお子さんが修学旅行に参加するにあたって不安に思うことの1つに、周りの目があるのではないでしょうか。
クラスメイトに「修学旅行みたいな楽しい行事だけ来るなんてずるい」と思われることもあるでしょうし、学校に来るのが珍しいからと、好奇の目で見られることもあるかもしれません。
それらの不安を解消するために、修学旅行の事前学習だけでも参加することがおすすめです。
修学旅行では、授業時間を使った事前学習が多くあります。班分け・自由行動の計画・探求学習などです。事前学習に参加すれば、「突然修学旅行だけ来た」と思われることはないですし、旅行前にクラスに馴染みやすくなります。
しばらく休んでいるお子さんが学校に行くことはとても大変だと思いますが、事前学習だけでも参加できれば、不安の少ない状態で修学旅行に臨めるでしょう。
③不登校のお子さんの不安を聞き出して解決する
不登校のお子さんは、些細なことで不安になる場合が多いです。また、その不安を言葉にするのが苦手なこともあります。そのため、お子さんの不安についてゆっくり話し合う時間を設けることがおすすめです。
不安なことを紙に書いてもらったり、保護者が一緒に考えることで、お子さん自身もわからなかった不安が整理されます。また、事前に不安の解決策を考えて行くことで、旅行中のお子さんの安心につながるでしょう。
不登校のお子さんにとって、修学旅行への参加は非常に勇気のいることです。
お子さんの悩みを軽視することなく、丁寧に聞き出してあげましょう。
修学旅行に参加しない場合
修学旅行に参加しないと決めたなら、旅行当日の過ごし方を考えておきましょう。
参加しなかったことを後悔させないことが大切
修学旅行当日の最善の過ごし方は、お子さんによって異なります。しかし、どのお子さんにとっても、不参加をマイナスの思い出にしないことが一番大切です。
修学旅行を気にも留めていないお子さんなら、特別なことをする必要はありません。少しも参加したくなかったのなら、不参加を後悔することは少ないでしょう。
逆に、修学旅行当日になると、気持ちが落ち込むお子さんもいます。「本当は行きたかった」という後悔や、「参加できない自分はダメなんだ」という劣等感に襲われることがあります。
そんなときは、別の楽しい思い出でマイナスの感情を消してあげましょう。プラスの感情で上書きすることで、お子さんにはいい思い出として刻まれることになります。
「修学旅行に参加するよりいい日だった」とお子さんが思えるような、当日の過ごし方を考えましょう。
修学旅行当日のオススメの過ごし方
ここでは、修学旅行当日のオススメの過ごし方を3つ紹介します。
①家族で旅行
1つ目は、家族で旅行に行くことです。旅行をすることで、「せっかくの旅行に行けなかった」と後悔することを防ぎます。修学旅行の行先に近い場所を旅行先に選ぶこともおすすめです。
②外食などで少し贅沢に過ごす
2つ目は、外食に行くなど少し贅沢な日を過ごすことです。旅行とまではいかなくても、特別な日を過ごすことで、お子さんに楽しんでもらいましょう。お子さんの好きなことをたくさん取り入れた一日にできると、ポジティブな思い出になります。
③学校に行く
3つ目は、学校に行くことです。修学旅行を欠席しても、登校すれば出席扱いにしてくれることもあります。なかなか学校に行けないお子さんも、知り合いのいない学校なら気楽に行けるかもしれません。
修学旅行当日をどう過ごすのがベストかは、お子さんの気持ちによって異なります。
これらを参考に、お子さんにとっていい思い出になる過ごし方を考えてみてください。
まとめ
この記事では、不登校のお子さんの修学旅行への参加不参加の決め方、参加する場合・しない場合においてするべきことを解説しました。
不登校のお子さんが修学旅行に参加するかどうかは、本人の意思を第一に考えましょう。もし本人が悩んでいる場合は、参加するように促すことがおすすめです。お子さんの不安を解決する方法を提案していきましょう。
修学旅行に参加すると決めた場合は、学校側とのサポート体制の相談が不可欠です。また、お子さんの不安を軽減するために、修学旅行の事前準備への参加・心配事の解決を行うといいでしょう。
修学旅行に参加しない場合は、「参加しなくても楽しかった」とお子さんが思えるような日にしましょう。お子さんにとってポジティブな思い出となることが、なにより大切です。
不登校のお子さんの修学旅行でお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。