- 学校が怖くて行く気になれない…
- 学校に行くと緊張して疲れてしまう…
そんな悩みを持つお子さんは少なくありません。
今回は、学校が怖い理由や対処法、学校以外の居場所になり得る選択肢などについて解説していきます。
学校が怖いお子さんや、その保護者の方はぜひ参考にしてください。
「学校が怖い」と感じるお子さんはたくさんいる
理由はさまざまですが、「学校が怖い」と感じるお子さんは少なくありません。
まずは、「こんな気持ちになるのは自分だけかもしれない」と思わずに、「珍しいことじゃないんだ」と安心してほしいと思います。
学校が怖いのはなぜ?
学校が怖いと感じるのはなぜでしょうか。
考えられる理由をいくつかご紹介します。
人間関係でのストレス
人間関係が理由で学校にマイナスイメージを抱くお子さんは多いです。
- いじめ
- なんとなく居心地が悪くて馴染めない
- 友達はたくさんいるけど心から信頼できない
状況はさまざまで、保護者や先生がお子さんの悩みに気づきにくい場合もあります。
勉強面での不安
勉強が原因で学校が怖いと感じるお子さんも多いです。
最も多いのが、「授業でわからない問題を当てられるのが怖い」という理由です。
「みんなの前で答えられなかったら恥ずかしい」「自分が答えられなくて授業が止まるのが怖い」と思うお子さんが多いです。
勉強面でクラスメイトに遅れをとっていると感じるのが怖くて学校に行きづらいお子さんも多くいます。
先生との関係性
先生との関係性も学校が怖いと感じる原因になり得ます。
- 担任の先生との相性が悪い
- 先生の方針に納得できない
- 先生の怒り方が怖い
- 苦手な先生がいる
このように、学校の先生に苦手意識を抱くお子さんも少なくありません。
身近な先生を信頼できないと、学校の居心地は悪いでしょう。
学校恐怖症
「学校が怖い」と感じる原因が、学校内にあるとは限りません。
直接的な原因が学校内に認められない場合、何らかの心理的原因で学校に行けなくなる「学校恐怖」に分類されます。
学校恐怖の原因と考えられるのが、分離不安です。
分離不安のお子さんは、保護者と離れることや集団の中に入ることに強い恐怖を感じます。
これら以外にも、さまざまな原因があり、原因がはっきりしていない場合もあります。
学校が怖いと感じるときの対処法
ここからは、学校が怖いと感じるときの対処法をご紹介します。
放っておくとさらに恐怖心が強くなることがあり、学校に対してポジティブな感情を持つことが難しくなるので、早めの対処がおすすめです。
誰かに相談する
まずは、「学校が怖い」という悩みを1人で抱え込まないようにしましょう。
自分の気持ちを人に話すだけで少し楽になるかもしれません。
知っている人に話したくない場合は、スクールカウンセラーなどの専門家に話すのもおすすめです。
別室登校をする
教室に入ることに恐怖心があるお子さんは、別室登校を考えてもいいでしょう。
保健室などの別の教室に登校し、勉強したり給食を食べたり、先生と話したりします。
過ごし方は特に決まっておらず、お子さんに合わせて対応してもらえることが多いです。
お子さんの孤立を防いだり、生活リズムを維持できるなどのメリットがあります。
学校以外の居場所をつくる
学校以外に安心できる居場所をつくるのもおすすめです。
習い事を始めて、他校の同世代の友達や信頼できる大人を見つけるとよいでしょう。
学校以外の居場所が心の拠り所になって、悩みが軽くなるかもしれません。
また、他に居場所があると思うことで精神的に追い詰められることがなくなり、学校に行きやすくなる可能性もあります。
学習塾や家庭教師を利用する
学習塾や家庭教師を利用するのもおすすめです。
勉強についていけないことが理由の場合は、外部の学習サービスを活用することで解決できるかもしれません。
また、塾の先生やクラスメイトの中から信頼できる人を見つけられると、良い相談相手になるでしょう。
学校が怖いお子さんへの保護者の関わり方
ここからは、学校が怖いと感じるお子さんに対する、保護者の関わり方について解説します。
以下のことを意識してコミュニケーションをとるとよいでしょう。
お子さんの自信を高める
学校への恐怖心は自信のなさから生まれることも多いです。
まずは、お子さんが自信を持てるように意識をしましょう。
ありのままのお子さんを受け入れ、日々の成長を褒めることで、お子さんの自己肯定感を高めることが大切です。
他のお子さんや兄弟と比べるのは絶対にやめましょう。
お子さんの気持ちを受け入れる
学校が怖いというお子さんの気持ちを受け入れることも大切です。
お子さんの話をよく聞いて、どんな気持ちも否定せず、受け入れる姿勢を示しましょう。
お子さんが自分で理由がわからないことも少なくありません。
無理に問い詰めたり正論で返したりしないようにしましょう。
登校を強制しない
登校を強制するのも避けた方が良いでしょう。
学校に行きづらいお子さんを無理矢理登校させるのは望ましくありません。
ただし、一度休むと、学校に行きづらくなり、不登校になる可能性があります。
積極的に休ませるのが正しいわけではありません。
それぞれの状況とお子さんの意志に合わせた対応が求められます。
休んだ場合も、休み癖がつきにくい工夫を考えるとよいでしょう。
学校以外の選択肢
学校に行かずに他の居場所を見つけることも可能です。
どうしても辛いときは他の選択肢を探してみてください。
習い事
習い事は、お子さんの大切な居場所になるかもしれません。
同世代が集まる習い事で気の合う友達ができたら、心の拠り所になるでしょう。
また、習い事の先生と相性がよかった場合は、信頼できる相談相手になるかもしれません。
フリースクール
フリースクールは、学校に行けない、または行かないお子さんが、小学校・中学校・高校の代わりに過ごす場所です。
文部科学省では、フリースクールは、
「一般に、不登校の子供に対し、学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間の施設を言います。その規模や活動内容は多種多様であり、民間の自主性・主体性の下に設置・運営されています。」
とされています。
*出典1:文部科学省|フリースクール・不登校に対する取り組み
フリースクールの目的はさまざまです。
- 居場所をつくる
- 学校の復帰を目指す
- 学習のサポートをする
- 専門家の支援を受ける
自分に合ったフリースクールを探してみるのもいいでしょう。
適応指導教室
適応指導教室は、フリースクールとは違い、各市町村の教育委員会が公的に運営する施設です。
文部科学省は、適応指導教室について、
「不登校児童生徒の集団行動への適応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善等のための相談・適応指導を行うことにより、その学校復帰を支援し、持って不登校児童生徒の社会的自立に資することを基本にする」
としています。
*出典2:文部科学省|適応指導教室(学校支援センター)の取り組みについて
適応指導教室は、最終的な目的を学校復帰としています。
適応指導教室への出席は、在籍校への出席扱いになります。
高校生は通信制高校も
高校生であれば、通信制高校という選択肢もあります。
通信制高校は、毎日の登校が不要です。
また、学校側の受け入れ体制が充実していたり、同じ悩みを持つお子さんがいたりするため、居心地の良い居場所になるかもしれません。
まとめ
今回は、「学校が怖い」と感じる理由や対処法について解説しました。
学校が怖いと感じているお子さんはたくさんいます。
理由は、人間関係・勉強・先生などお子さんによってさまざまです。
理由がはっきりしない場合もあります。
学校が怖いと感じるときの対処法として以下の4つをご説明しました。
- 誰かに相談する
- 別室登校をする
- 学校以外の居場所をつくる
- 学習塾や家庭教師を利用する
保護者の対応や、居場所としての学校以外の選択肢もご紹介しています。
学校が怖いと感じるお子さんや、その保護者の方はぜひ参考にしてください。