- 小学生の不登校って法律的に大丈夫?
- 不登校が進学に影響するのか心配…
不登校のお子さんをお持ちの方は、こんな悩みを抱えている方が多いでしょう。
お子さんの進学のこと、将来のことなど悩みは尽きないですよね。
今回は義務教育の不登校は法律違反なのか、進学はできるのかについて詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
義務教育の不登校は法律違反?
結論、義務教育での不登校は法律違反ではありません。
以下では、「憲法」と「法律」の2つの観点から解説していきます。
義務教育の不登校|憲法の観点から
結論から言うと、義務教育の不登校は憲法違反ではありません。
日本国憲法では、国民の3大義務として、以下の3つが定められています。
- 勤労の義務
- 納税の義務
- 教育を受けさせる義務
憲法第26条にはこのような文言があります。
「法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ」
一見、お子さんに教育を受けさせないといけない、つまりは「学校に行かせないといけない」と思えるかもしれません。しかし、この条文の趣旨は「生徒に学校へ行く意思があるなら、親や大人がそれを阻止してはいけない」というものです。
したがって、お子さんに学校へ行きたくないという意思があるなら、不登校は憲法違反ではないといえるでしょう。
義務教育の不登校|教育機会確保法の観点から
教育機会確保法の観点からも、義務教育の不登校は法律違反ではありません。
教育機会確保法とは「不登校などの理由で十分な義務教育を受けられなかった子どもたちに教育機会を確保するための法律」です。この法律は、不登校の生徒の増加を背景として2017年に施行されました。
この法律では、家で休むのは子どもに認められた権利であるとされています。
そのため、お子さんが何らかの理由で学校に行きたくないと言ったときに、保護者が学校を休ませてあげるのは法律違反ではないといえるでしょう。
義務教育で不登校の場合|進学はできる?
お子さんが小学生・中学生で不登校になった場合、進学はできるのでしょうか。
「小学校から中学校」「中学校から高校」の2つの段階に分けて解説します。
小学校から中学校
結論、不登校の場合でも小学校から中学校への進学は可能です。
小学生で不登校になった場合、進学の選択肢は以下の2つです。
- 校区内の公立中学校に進学する
- 中学受験で国立または私立の中学に進学する
①校区内の公立中学校に進学する
1つ目は現在通っている小学校と同様に、校区の中学校に進学するというものです。
この場合は小学校の成績に関わらず中学校に進学できます。
中学校から始まる部活動がお子さんにとってよい刺激となり、登校が促される可能性もあるでしょう。
もう1つの特徴としては、複数の小学校から集まるため生徒数は増えますが、小学校と同じメンバーがいることがあげられます。そのため、お子さんの不登校の原因が友人関係である場合には、メンバーが小学校と変わらない点を考慮して進学先を考えるとよいでしょう。
②中学受験で国立または私立の中学校に進学する
もう1つは、中学受験をして国立または私立の中学校に進学するというものです。
お子さんの不登校の原因が友人関係の場合は、校区外の国立・私立の中学校に進学することで環境や対人関係を変えられます。
ですが、中学入試に合格するには一定の学力が必要です。さらに、学校によっては出席日数をチェックする場合もあるようです。
そのため、この場合は一概に進学可能とはいえません。
志望する中学校の募集要項を確認しておきましょう。
中学校から高校
結論から言うと、不登校の中学生でも高校進学は可能です。
しかし、中学校から高校に進学するためには少なからず内申点が必要になります。
内申点は出席日数とテストの結果に基づいています。そのため、不登校が続き出席日数が少ないと内申点が低く、希望する高校に進学できない可能性があります。
不登校の中学生の進学についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
▶不登校の中学生でも高校進学は可能?進学に必要な条件や選択肢を解説!
不登校は憲法・法律違反ではありませんが、進学や将来のためにも学習は必要です。家庭での学習だけでなく、フリースクールという選択肢もあります。
フリースクールについてはこちらの記事でも解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
▶フリースクールとは?基本情報から学費・進学可否まで幅広く解説
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まとめ
今回は義務教育の不登校は法律違反なのか、不登校でも進学はできるのかについて解説しました。
義務教育での不登校は、憲法と法律のどちらにも違反していません。
進学が可能かについては「小学校から中学校」「中学校から高校」で異なります。
小学校から中学校へは基本的に進学可能ですが、中学校から高校へは出席日数をカウントする内申点が必要になるため、必ずしも希望の学校に進学できるとは限りません。
特に、高校進学を志望するお子さんをお持ちの方は、高校ごとの募集要項をきちんと確認しておきましょう。