不登校は克服できる?具体的な方法や注意点を解説

監修:村上実優

監修:村上実優

累計7万人以上の指導実績を持つ成基の個別指導塾「ゴールフリー」で教室長を務めた後、シンガクの教室長に就任。子どもの本来持つやる気や意欲を引き出す“教育コーチング”のスキルを活かし、学校以外の多様な学びの機会提供と、子どもが安心して過ごせる居場所づくりを目指してシンガクを運営している。

オンラインフリースクールという選択肢を検討してみませんか?

不登校のお子さんにとって、たとえフリースクールでも通学は大きなハードルとなることがあります。

そんな時、自宅で授業を受けられるオンラインフリースクール「シンガク」がおすすめです。出席認定に対応しており、自分のペースで学習を進められるのが特徴です。また、他の生徒ともオンラインで交流できる環境が整っています。

さらに、ゲーム依存のお子さんも楽しめるように、マインクラフトやフォートナイトなどを通じて他の生徒たちと一緒に遊べる機会も提供していますので検討してみてください。

目次

お子さんが不登校になると、保護者はまず不登校の理由・原因を知りたくなるでしょう。

その次に気になるのが、「いつになったら学校に戻れるのだろう?」という疑問ではないでしょうか?

本記事では、不登校のお子さんを持つ保護者の

「不登校克服のきっかけにはどんなことがある?」

「不登校を克服するために親ができることは何?」

「不登校の克服にかかる平均的な日数はどれくらい?」

などの疑問にお答えしていきます。

お子さんの不登校を克服する一助になれば幸いです。

「不登校を克服する」とは?学校復帰がゴールではない

「不登校を克服する」とはどんな状態のことを指すのでしょうか?

保健室登校?

教室復帰?

年間の休みが30日以下になったら?

学校に対する気持ちが前向きになったら?

答えはお子さんによって異なります。ただはっきり言えるのは、不登校克服のゴールが必ずしも「学校復帰」ではないということです。

学校を休んでいたお子さんがまた学校に行けるようになったら、不登校を克服したと思われる保護者も多いのではないでしょうか。

しかし、不登校は一度学校に戻れたから終わり、というものではありません。

実はお子さんは苦しい気持ちを我慢して学校復帰をしているかもしれません。学校もつらいけど、家にいる方がもっとつらかったのかもしれません。

学校復帰をしても、一定期間が経過したら、不登校が再発するお子さんはとても多いです。

一方、学校には戻っていなくても、フリースクールなどの学校以外の居場所で勉強したり友達との交流を楽しんでいるお子さんもいます。

フリースクールとは、不登校や引きこもりのお子さんを対象とした民間の施設で、学習指導や体験学習の機会などを提供してくれます。また、同じ境遇のお子さんと出会える可能性もあり、そこで出来た仲間と親睦を深めるといったこともあるでしょう。

お子さんにとって大切なのは、学校でも学校以外でも、お子さんが安心して過ごせる「居場所」で勉強やコミュニケーションの機会を得られているということです。

もちろん、学校に戻ることを目指すことは良いことですが、不登校は一度学校復帰したから克服というような、単純なものではないということを知っておいていただきたいと思います。

それよりも、お子さんが心から安心して楽しめる「居場所」があるかどうか、毎日を前向きに過ごすことができているかに焦点を当ててみてください。

不登校を克服するきっかけは?

ここでは、よくある不登校克服のきっかけについて解説します。

ただし、ご紹介するきっかけはあくまでも一例です。ここで紹介する「きっかけ」がなければ不登校を克服できないというわけではないので、参考程度に考えてくださいね。

きっかけ① 昔の友達とコミュニケーションをとった

不登校になる前の、昔の友達と交流することが、再び学校に通うきっかけになる場合があります。

「今の学校」や「今の友達」が嫌な場合でも、昔の友達と話すうちに、「自分にも楽しく過ごせる場所がある」「今の学校が世界の全てではない」とお子さんが自分自身や世界を肯定的に捉えられるようになることがあります。

不登校の原因が自己肯定感の低下である場合などは、有効なきっかけになる可能性があります。

きっかけ② 家族以外に「話せる人」ができた

不登校になるとコミュニケーションの機会が激減します。なかなか家族以外の人と話す機会はありませんが、行きつけのお店の店員さんや美容師さんなどと会話をすることで、「自分は社会の一員」という実感を得られます。

また、お店では丁寧な言動で接客されているので、お客さんとして大切にされている実感が持て、自信回復につながる可能性が高くなります。

きっかけ③ 習い事などで「居場所」を見つけた

習い事やボランティア活動など、学校の外で安心して過ごせる「居場所」を見つけることで、不登校を克服したというケースもあります。

好きなことを一緒に取り組む友達から刺激を受けたり、気の合う先生との交流がお子さんの世界を広げることもあります。

「学校でうまくいかなくても、自分を受け入れてくれる場所がある」と感じられることが、お子さんの悩みや不安を軽くするでしょう。

これまで、特に習い事などをしていなかった場合は、お子さんの興味・関心に沿って新しい習い事を始めてみるのもよいでしょう。

きっかけ④ 好きな有名人の言葉やライブに元気をもらった

芸能人でもスポーツ選手でも、好きな有名人の言葉や歌に元気をもらえることがあります。また、スポーツ観戦や音楽ライブに行くなど、趣味を通して出会った人との交流で、気持ちが明るくなることもあります。

昨今、「推し活」をする人が増えているため、実際にイベントに参加せずとも、好きな人やものを一緒に応援する仲間とのコミュニケーションをWeb上で楽しむこともできるでしょう。

こういった趣味活動で、お子さんの気持ちが明るく前向きになる可能性があります。

きっかけ⑤ 不登校経験者との交流

お子さんと同じような不登校の経験を持つ人とコミュニケーションをとることで、お子さんの気持ちが変わることがあります。

経験者に話を聞いてもらうことで、不登校特有の悩みを共感してもらえるため、孤独感が軽減したり、不登校を乗り越えた話を聞くことで、お子さん自身の学校復帰への気持ちが強くなることもあります。

不登校経験者との交流は、フリースクールや不登校の会などでもできます。

また、オンラインフリースクールでは家でも不登校のお子さん同士でコミュニケーションがとれるため、同世代の友人との交流が自己肯定感につながることも多くあります。

きっかけ⑥ 病院のカウンセリングなど治療を受けた

不登校の陰に、何らかの病気が隠れていることもあります。心身の不調が顕著な場合は、病院を受診してみてください。

朝起きられなくなる起立性調整障がいや学習障がい、うつ病、統合失調症など、本人の努力ではどうしようもない原因が見つかるかもしれません。

不登校の原因が病気だった場合は、適切な治療やカウンセリングによって症状が改善する可能性があります。

きっかけ⑦ フリースクールなど学校以外で「居場所」を見つけた

不登校のお子さんが通う場所として、教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールがあります。

そういった学校以外の場所に行くことで、お子さんと気の合う先生や友人に出会い、その人たちと交流することで「自分はこのままでも大丈夫」と自信を取り戻せることがあります。

学校にこだわらず、学校以外の場所に行ってみることで、逆に学校に戻るエネルギーを得られることがあるのです。

ただし、教育支援センターもフリースクールも、施設によって雰囲気が大きく異なりますので、一度見学や体験に行き、お子さんに通所の意思を確認してみましょう。

きっかけ⑧ 学校行事に参加してみる

教室の授業を受けることに抵抗を感じているお子さんは、文化祭や運動会、球技大会、遠足、修学旅行など、学校のイベントがある日に登校してみることが学校復帰のきっかけになることもあります。

久しぶりに登校してきたお子さんをクラスメイトが優しく迎え入れてくれると、お子さんも登校への気持ちが前向きになるでしょう。

また、「休んでいる間に忘れられているかも」「行っても誰も相手にしてくれないかも」という不安がある場合は、登校してみることで杞憂だったということもわかるので、一度行ってみるということは大きなきっかけになる可能性があります。

不登校を克服するために保護者ができることは?

不登校のお子さんに「保護者がこれをすれば学校に行く」というものはありません。

お子さんそれぞれの性格や状況、環境によって不登校の期間や克服方法も異なるからです。

しかし、保護者がとるべき行動はいくつかあります。

ここでは、不登校のお子さんのために保護者はどう振る舞うべきかについて3つのポイントをお伝えします。

①焦らない

不登校の期間が長くなればなるほど、保護者はどんどん焦る気持ちが募ってしまいます。しかし、不登校に焦りは禁物です。

たとえば、上に紹介した不登校克服の「きっかけ」を無理やりつくろうと、お子さんに何かを強制したり押し付けたりするべきではありません。

保護者は良かれと思ってアドバイスをしているつもりであっても、不登校のお子さんにとっては、自分を否定されているように感じられ、より自信がなくなったり、無気力になったりする可能性があります。

お子さんのペースに寄り添い、お子さん自ら回復するまで待ちましょう。無理に何かをさせるのではなく、日々お子さんの様子を観察して、回復してきた兆候を見逃さないことが重要です。

②学校の代わりとなる「居場所」を探す

学校復帰は1つの方法でしかなく、お子さんが将来のために必要なことを学んでいく方法は他にもあります。

フリースクールはその方法の1つです。

義務教育課程の場合、フリースクールでの活動が「出席扱い」として認められることも多いです。

「勉強をする場所」「家族以外との関わりを持てる場所」などの役割を果たすことが可能であるのであれば、これまで通っていた学校への復帰だけを唯一の選択肢にせずに、より広い視野で方法を探してみてください。

③専門家に相談する

不登校は家族だけで解決しようとすると、お子さんだけでなく保護者まで追い込まれてしまう可能性があります。

病院のカウンセラーやスクールカウンセラー、自治体の相談窓口など、どなたでも構いません。保護者が気軽に利用できる場所に行き、専門家の意見を参考にすることで、不登校の克服はスムーズに進む可能性が高いです。

不登校の克服に向けて保護者がやってはいけないことは?

ここでは、「不登校克服のために保護者ができること」の裏返しにもなりますが、保護者がやってはいけないことを3つ解説します。

①無理に登校させる

保護者は、早くお子さんに学校に戻ってほしいとの思いから再登校を急かしがちです。しかし、無理やり登校させることはNG行動の1つです。

登校を強制することで、保護者への信頼感が減り、お子さんが保護者に反発するようになる可能性があります。家族間の信頼関係がなくなると、「回復」までの時間が長期化することがあります。

②保護者だけで解決しようとする

お子さんが不登校になったとき、なかなか人に相談できず、保護者のみで解決しようとしがちですが、保護者だけで解決しようとするのはおすすめできません。

不登校は社会問題となっており、行政・民間を問わずさまざまな機関が支援活動を行っています。

不登校は誰にでも起こり得ることだと考えて、保護者のみで抱え込まず、積極的にサポート先を探し、支援を求めましょう。

③感情的に接する

不登校のお子さんに対して感情的に接するのはやめましょう。

お子さんを鼓舞するつもりで叱咤激励をして学校に行かせようとすると、お子さんの保護者への信頼が揺らぎ、回復が遅れる可能性があります。

感情的に接することは、お子さんの不信感を強める原因となるため、冷静にコミュニケーションをとるように気を付けてくださいね。

また、お子さんの状況に対して保護者が一喜一憂することも避けた方が良いでしょう。

保護者の期待に応えなくてはいけないと、お子さんを追い詰める可能性があります。

家族の穏やかなコミュニケーションがお子さんの自己肯定感を醸成し、早期回復につながります。

不登校のお子さんは本当に学校復帰するべきなの?

不登校のお子さんを持つ保護者は、お子さんが不登校になってから心配や不安が増え、苦しむことが多いです。

しかし、お子さんは不登校になったときから苦しんでいるのではありません。

学校に通いながら、嫌なことを我慢し、悩み、苦しみ、葛藤しながら頑張って、それでも耐えられなくなって学校に行けなくなっているのです。

お子さんが学校に行くことをつらいと感じているのであれば、その原因が解決されるまでは無理に通わせると、かえって状況が悪化する可能性があります。

よって、何が何でも学校復帰を目指す必要はありません。お子さんにとって、最適な居場所を見つけることが重要です。

ここでは学校復帰のメリット・デメリットを解説するので、お子さんの状況に合わせて、何をゴールにするべきか、考えてみてくださいね。

学校復帰のメリットは?

お子さんが学校復帰をするメリットは、大きく3つあります。

・勉強に遅れない

・精神的に安定しやすい

・社会性を育める

不登校だと、家で勉強したとしても、主要5教科など、特定の科目であることが多いですが、学校に通うことで幅広い知識を身に付けることができます。

また、不登校になると、「学校に通えていない自分」に自信が持てず、自己肯定感が下がり精神的に不安定になるお子さんが多くいますが、逆に学校に通うことで自己肯定感が上がり、自分に自信を持てるようになります。

さらに、学校は、人間関係を良好に保つスキルなど、社会生活を円滑におくるための訓練の場としても最適な場所です。学校でさまざまなクラスメイトと交流することで、社会に出てからも役立つ社会性を育むことができるでしょう。

学校復帰することのデメリットは?

・無理に学校復帰をすると、気持ちが折れてしまうことがある

・自分自身を見つめる時間が少なくなる

お子さんが本当に回復して学校に戻っているのであれば問題ありませんが、実際にはまだ精神的に不安定であるにも関わらず、焦って登校しているケースがあります。

そういう場合は、無理を続けることで、お子さんの気持ちが折れてしまう可能性があります。

保護者もお子さん自身も、安易に回復したと思い込まないことが大切です。

また、不登校期間中は自分のペースで過ごすことができるため、空いた時間を好きなことに使えます。

お子さんの興味のあることについてゆっくりと調べさせたり、理解できるまで何度も試行錯誤したり、お子さんが自分自身についてよく考えてみる時間をつくったりなど、不登校のお子さんならではの時間が過ごせます。

状況によっては、学校に通う児童・生徒よりも実のある学習で学力を高められたり、自身についての理解を深化させることができます。

学校復帰をすることで、そういった時間がとれにくくなることは、デメリットの1つと考えられます。

不登校の克服にはどのくらい時間がかかる?

不登校を克服するまでの期間は、一般的に「3ヵ月~1年程度」と言われています。

しかし、これはあくまで平均値なので、お子さんに対して「3ヵ月休んだからそろそろ学校に戻れるかも」とは思わないでください。

お子さんの性格や状況によって、回復のスピードは大きく変わります。たとえ、1年で回復しなくても、焦らないことが大切です。

気を付けていただきたいのが、不登校の期間が短い=早く回復した、とは限らないということです。

先述したように、不登校は「一度学校復帰ができたから克服できた」というものではありません。

学校に行けても、それが「家にいる方がもっとつらかったから」など、お子さんに無理が生じている状況では、不登校が解決したとは言えません。

学校に行くことに執着せず、お子さんにとって居心地の良い居場所で楽しく過ごせることを大切に、本質的な解決を目指してくださいね。

不登校を克服すると将来どうなる?

不登校を経験し、克服することはお子さんにとって多くのメリットがあります。

ここでは、6つのポイントをお伝えします。

1. レジリエンス(回復力)の向上

不登校という困難な状況を乗り越えることで、お子さんは心の強さや回復力が向上します。この経験は、将来、何らかの困難や逆境に直面したときに、自分自身を励まし、立ち直る力となります。

2. 問題解決能力の向上

不登校を克服するために、問題を分析し、解決策を見つける経験を積むことで、問題解決能力を培うことができます。将来の仕事や生活の中でも役立つでしょう。

3. 自己理解の深化

不登校を通じて、お子さん自身がどのような人物なのか、自分の感情やストレスの原因を深く理解することができます。この自己理解は、将来の自己管理や自己改善に役立ちます。

4. 共感力の向上

同じような問題を抱える人に対して、深い共感を持つことができるようになります。この共感力は、人間関係を築くうえの大切なポイントであり、職場やコミュニティでの協力やサポートにもつながります。

5. 自立心の醸成

不登校を克服する過程で、お子さんは自分の意思で行動し、決断する経験を積むことができます。この自立心は、将来のキャリアや日常生活において、自分の目標を達成するための大きな力となります。

6. 新たな視点の獲得

不登校を経験することで、通常の学校生活とは異なる視点や価値観を持つことができます。この新たな視点は、創造性や柔軟な思考を促し、将来の問題解決や新しいアイディアの創出に役立つでしょう。

このように、不登校の経験を通じて得たスキルや知識は、将来の自己成長や成功に大いに貢献するでしょう。

さいごに

不登校の原因がさまざまなように、不登校を克服する方法やきっかけもさまざまです。

正解がないため、保護者もゴールが見えない状況がつらいと思いますが、不登校を克服するのはお子さん自身です。

お子さんが、お子さんのペースで、着実に前に進めるように、前向きな毎日を過ごすことができるように、お子さんをサポートしていく姿勢が大切です。

不登校の克服は、学校復帰だけとは限りません。お子さんに寄り添い、何を目標にするのかを一緒に考え、不登校克服のきっかけを一緒に見つけてくださいね。

不登校のお子さんのこと、1人で悩まないで

無理をして今の学校に通わなくても、将来の選択肢はいくらでもあります。

実際に、オンラインフリースクールシンガクの生徒さんの多くは、自分で将来の夢を見つけ、生き生きと過ごされている方が多いです。

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