「ホームスクーリング」という学習方法は、聞き馴染みがないかたもいるかもしれませんが、日本国内では増加傾向です。
元の学校と合わないと感じていたり、自分のペースや興味に合わせて学習したいと考えるお子さんを中心に広まってきているのかもしれません。
この記事では、日本におけるホームスクーリングの現状やメリットなどについて解説していきます。
ホームスクーリングとは?
ホームスクーリング(ホームスクール)とは、学校に通わず家庭に拠点を置いて学習を行うことです。オルタナティブ教育の形式のひとつで、ホームエデュケーション(家庭ベース教育)とも呼ばれます。
アメリカやイギリス、カナダなど、欧米の多くの国ではホームスクールは制度化されており、アメリカでは250万人以上の子どもがホームスクールで学んでいるというレポートもあります。
日本では制度化されてこそいないものの、選択肢の1つとして徐々に認知度が高まってきています。
(*出典1)Wikipedia|ホームスクーリング
(*出典2)Research Facts on Homeschooling
日本国内のホームスクーリングの現状について
日本国内では、不登校の児童は増加傾向にあります。
文部科学省が定義する不登校は「30日間以上の連続した欠席」ですので、学校を休みがちであったりする潜在的な不登校児童を含めると公表されている数字よりもさらに多くの生徒が存在すると言われています。
そのような実情があり、学校以外の居場所となるフリースクールや、通信制学校が注目を集めています。
その中で、学校以外でお子さんが学習する手段として、家庭で学習をする「ホームスクーリング」があります。
ホームスクーリングは手軽と思われがちですが、自宅で学力を伸ばすための学習をすべて実現するには様々な労力が必要です。
ホームスクーリングのメリット・デメリットについて把握した上で検討をしましょう。
学校以外の学習手段が増加している背景
フリースクールやホームスクーリングでの学びが増加している理由として、以下のような背景があると考えられます。
まず、学校教育への不信感の高まりがあります。近年、学校でのいじめや体罰などの報道が後を絶ちません。こうした事件などを起因とした学校教育への不満から、学校以外の学びへの関心も高まっているのかもしれません。
もう一つは、ICTの発達です。インターネットを利用して自宅でも質の高い教育コンテンツを活用できるようになったことで、学校以外で良質な学習を受ける機会が増えてきています。
多様性・個性を重視した社会的傾向も背景の1つです。定型的な学校教育より、子ども一人ひとりの個性に合わせた教育を重視したり受け入れる親が増えているとも考えられます。
ホームスクーリングは合法?
ホームスクーリングは法律で明確に定められているわけではありませんが、日本国憲法第26条で保障されている「教育を受ける権利」や「教育の自由」の範囲内で行われる限り、合法的な教育形態と考えられています。
ホームスクーリングによる学習は「正当な事由」があれば就学義務違反には問われません。
その「正当な事由」の例として、「不登校」が挙げられているため、不登校のお子さんの学びの手段としてホームスクーリングを行うことは問題ないと言えるでしょう。
ただし、お子さんが高校や大学への進学を希望している場合は、ホームスクーリング以外で高卒資格を得る必要があることなどに留意しておく必要があります。
ホームスクーリングのメリット
ホームスクーリングのメリットとしては以下の点が挙げられます。
- 子どものペースに合わせた学習が可能
- 子どもの興味・関心に応じたカリキュラムが組める
- いじめや学校のストレスから解放される
- 家族との絆が深まる可能性
- 学校の制約を受けない自由な学習環境
個別指導が実現しやすいのが大きな特徴です。学校では難しい子どものニーズに応じたきめ細かな教育が行えるのが魅力といえます。例えば発達障害を持つ子どもなどにおすすめされるケースも少なくありません。
ホームスクーリングのデメリット
一方で、ホームスクーリングのデメリットとしては以下があります。
- 社会との繋がりが希薄になりがち
- 教育内容にばらつきが出る
- 継続的な学習環境の提供が保護者の負担になる
- 教材の比較検討・購入などの労力が必要
- 進学先の評価が読みづらい
学校教育のメリットである友人関係の構築や集団活動が難しくなります。教育内容も保護者の知識に左右され標準が保ちにくい課題があります。保護者の負担も大きく、長期間のホームスクーリングは困難を伴います。
ホームスクーリングの今後の課題
ホームスクーリングの今後の課題として、以下の3点が挙げられます。
①社会性の担保について
学校教育のメリットである集団活動が制限されるため、友人関係の構築が課題になります。外部の活動との連携により、社会性を身につける工夫が必要となります。
②教育の質の担保
教育内容・方法が保護者に委ねられるため、教育水準の標準を確保する仕組みが求められます。外部評価の導入など、制度設計が課題となっています。
③就学形態の多様化への対応
ホームスクーリング以外にも、通信制高校やインターナショナルスクールなど就学形態は多様化しています。こうした流れを踏まえ、柔軟な制度設計が期待されています。
ホームスクーリングを適切に行うためには、これらの課題に適切に対応していくことが重要だと考えられます。
ホームスクーリングで出席扱い制度は使える?
ホームスクーリングを行う場合でも、在籍する学校に出席扱いを申請することは可能です。
ただし、出席扱いの基準は各学校の裁量に委ねられており、学習成果の確認などが必要となるケースが多いです。家庭ごとにホームスクーリングを行った場合でも、学習の進捗や成果を客観的に証明できる書類等を用意することは簡単ではないかもしれません。
出席扱いを利用することで、学校との関係を維持しながらホームスクーリングを行う道が開けています。ただし、出席扱いの詳細は各学校に確認が必要です。
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